IPアドレスはネットワーク上の居場所を示すものです。インターネットを通して、ホームページにアクセスする、サービスを購入するなど誰がどのように行動したかIPアドレスを解析した場合、把握することもできます。
そのうえで、B2Bビジネスにおいても、自社サイトにアクセスしてきた見込み顧客に対して効果的なアピールをし、いかに効率よく売上につなげていくかが大きな課題になっています。そんな中、IP解析をマーケティングに活用する動きが注目されるようになってきました。
そこで今回は、IP解析とはなにか、IP解析をどのようにBtoBマーケティングに活かせば良いのか、解説していきます。
IP解析とは
IP解析とは、IPアドレスを元に、Webサイトを閲覧したユーザーの情報収集を行うことを指します。
IPアドレスは、個々の通信機器に付与された、ネットワーク上の住所のような目印です。そのため、WebサイトにアクセスしたIPアドレスを調べれば、どの機器からアクセスしたかを特定できるということです。そのため、スマホやPCどちらからのアクセスなのかなども把握できます。
個人を特定することはできないものの、契約しているプロバイダ、そのIPアドレスの所有者(企業など)、国や都道府県といった地域情報を得ることができます。また、どのくらい滞在し、どういった行動を行ったのかまで解析可能です。
IP解析の活用方法
B2Bマーケティングにおいて、IP解析はどのように活用できるのでしょうか。
大手企業やネットワーク環境に精通している企業では、会社で固有のIPアドレスを持っていることが多くあります。そのため、自社サイトにアクセスしたIPアドレスを元にIP解析を行うことで、どこの会社がサイトを閲覧したのかを把握することが可能です。
サイトを閲覧したということは、自社の商品やサービスに少なからず興味を持っている証拠です。BtoBビジネスでも、インターネットで事前に商品やサービスの情報収集を行ったり、競合他社比較を済ませたりするケースは多いといえます。そのため、サイトを閲覧した企業は、有望な見込み顧客の可能性があります。
IP解析により判明したWebサイト閲覧企業をそのままリードリストとして営業現場で活用し、DMや電話によるアプローチを行っても良いでしょう。反対に、企業名や組織名などからは、競合他社も読み取ることができます。都道府県や市区町村などの位置情報は、販売エリアや販売状況の検証にも役立ちます。
その他、閲覧企業の業種を分析して、それまでターゲットにしていなかった業界からの需要を読み取るなど、マーケティング活動や新規事業での重要なデータとして活用したり、実施した集客施策の効果測定をしたりと、IP解析の活用方法は様々です。
マーケティングにおいては、顧客の獲得・分析が重要であり、IP解析による分析も見込み顧客の獲得や顧客の獲得につなげていくことができるでしょう。例えば、広告やwebサイトの効果もアクセスの増加だけでなく、狙う属性の企業や見込み客にアピールすることが重要です。
IP解析ができるツール
Google Analyticsなどのアクセス解析ツールを用いることで、自社サイトを閲覧したユーザーのIPアドレスを得ることができます。そして、得られたIPアドレスを入力するだけで、付随する情報を得られる無料サービスはたくさんあります。
しかし、全てのIPアドレスを調べ、1件1件企業名を特定するのは大変な手間がかかります。そこで活用したいのは、近年多く開発されているIP解析ツールです。IP解析ツールは、IPアドレスの国、都道府県、市区町村、組織(企業名・資本金・業種分類・売上高など)といったデータを保管しています。国税庁発行の法人番号を利用しているものもあるので、非常に幅広い法人データを管理していると考えてよいでしょう。
IP解析ツールは、自社のWebサイトにアクセスしてきたIPアドレスと、それらのデータを自動的に結びつけます。マーケティング活動に有効な見込み顧客情報を、リアルタイムで提供してくれます。
IP解析ツールでは、顧客情報が把握できるだけでなく、自社のサービスやアピール方法の見直しも可能です。例えば、興味を引くコンテンツがトップにある点などは、多くのユーザーにとって嬉しいポイントとなり、興味を引く理由の1つになります。
注意点として、IPアドレスそのものは変わる可能性があることなどは把握しておきましょう。
マーケティングオートメーションツールでの活用
近年、導入する企業が増えているマーケティングオートメーションツールではIP解析の機能を連携させたものも多く提供されています。マーケティングオートメーションは、有望な見込み顧客を創り出す過程の中で様々な場面で貢献する、多様な機能を備えています。それらの機能と連携させることで、より効果的にIP解析を活用することができるでしょう
例えば、Web行動解析で判明するユーザーごとの閲覧ページや検索キーワードと、判明した企業名をリンクさせることで以下の要素を容易に把握することが可能です。
- 何に興味があるのか
- 検討度合いはどうか
- どのページが長く見られているのか
細かい顧客動向を把握することで、早い段階からの営業アプローチが可能になります。また、分析結果から企業名が判明したアドレスにのみ、リターゲディング広告を配信したり、Webサイトのコンテンツを切り替えたりする機能もあります。
他にも、より有望なリードを絞り込むリードクオリフィケーションの段階においては、IP解析により判明した企業規模や業種によって、付与するスコアを調整するなどの活用もあります。
上述したように単に企業が判明させられるIP解析だけでなく、その後のマーケティングに連動できるツールは有効だとといえるでしょう。
おわりに
IP解析とはなにか、IP解析をBtoBマーケティングに活かす方法はどんなものがあるのかを解説しました。
弊社のChatops、ローコードから構築されましたシステムは、社内コミュニケーションとリード管理と見込み顧客獲得などの機能以外は、自社サイトに訪れたIPアドレスから、企業名(組織名・法人名)が解析でき、豊富な企業データも同時に取得できます。その企業がどのページを見たか、どのような遷移をたどったかなどの行動履歴も一目瞭然であります。
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