ITコンサルティング=IT +コンサルティング
「ITコンサルティング」 に明確な定義はありません。文字どおり、「IT」と「コンサルティング」 を組み合わせた造語ですが、 「IT」「コンサルテ ィング」の単語ひとつをとっても、人によって使い方が異なります。 そこ で、本書における定義を明らかにします。
「コンサルティング」とは 「問題を解決する」、「コンサルタント」とは 「クライアントの問題解決を支援する人」 を意味します。 また、IT (Information Technology) は、 コンサルティングと組み合わせて使うと き、クライアントの問題を解決するための、 ソフトウェア開発やサービス の利用、コンピュータの導入やインターネットの活用などを指します。
規制緩和やグローバル化の大きな流れのなかで、 企業は生き残っていく ために経営の舵取りに苦労しています。 なかには、高度な専門知識が要求 されるなど、企業自身では解決が難しいテーマもあります。
また、組織再編まで含む大幅な業務改革や他社との提携については、利 害関係や組織に属する人々のモチベーションの問題もあり、外部の専門家 に手を入れてもらったほうが動きやすい側面もあります。そこに、コンサ ルタントの出番があります。
経営コンサルタントとは対象範囲が異なる
ITコンサルタントの活動は、経営コンサルタントと異なります。 経営コンサルタントは、経営戦略や事業などの戦略レベルから、業務 プロセスの改革やCRM (40) の携帯などのマネジメントレベルまでを主な範囲としています。
これに対して、 ITコンサルタントは、経営戦略に基づくIT戦略の立案 から、 CRMの構築やeビジネスの展開などのマネジメントレベル、シス テムの企画やITインフラの整備など、ITレベルまでを範囲としています。 しかし実際には、問題の原因が以外の分野とかかわっていることも少 なくありません。したがって、必要に応じて、マーケティングや人事な ど、他の分野のコンサルタントともコラボレーションして解決に臨む必要 があります。
経営戦略の実現にはITが不可欠
ムーアの法則”に代表されるように、
経営戦略とITの結びつきが強くなり、「ヒト・モノ・カネ」
大きな成長が期待できるITコンサルティング
ITコンサルティングの 付加価値
IT戦略立案から個別のシステム構築まで多岐にわたる
ITの活用によるビジネス変革への期待
ITは、 企業の経営や事業における課題を解決するための手段として用 いられるだけでありません。 企業活動を維持・発展していくために欠かせ ない事業基盤としても位置づけられるようになっています。
たとえば、 金融業界は、 「IT装置産業」 と言われるほど、 ITが重要な基 盤となっています。 口座の管理や株式の自動売買、クレジットカードの決 済など、どれもがITなしには成立しません。
また、グローバル化の進展も無視できません。 電器機器や自動車など、海外展開を積極的に進める企業は、 グループ企業間での決済効率化や国際 会計基準への対応が必須要件となりつつあります。
本来ならば、 ITは経営戦略を実現するうえでの1つの実現手段にすぎ ません。 しかし、 ITが企業活動の基盤として位置づけられるようになっ た結果、IT戦略の主導によって経営戦略を差別化するアプローチが大切になってきています。
ITコンサルタントは3つの役割をもつ
業務視点に立てば、ITコンサルタントは次の役割を併せもってい るといえるでしょう。しかし、これらの役割をすべてこなせるスーパーマ ンはそうそういません。 したがって、 どれかの役割に強みをもって他の ITコンサルタントとコラボレーションしたり、コンサルティングファー ムやシステムインテグレーターなどに所属し組織的に活動するのが一般的 です。
- 問題解決人:クライアントの問題を把握して、IT戦略の立案やシステム 化の企画、システムの運用評価などを支援し、解決に導く
- ファシリテーター:クライアント内のさまざまな利害関係者を調整して、問題を浮き彫りにし、クライアント自身での解決策実行を後押しする
- エキスパート:特定の業務やITについて高い専門性をもち、それを軸にクライアントの事業戦略や業務プロセスの改革、 プロジェクトの実行を支援する
まとめ
NALでITコンサルティングは、分野に問題を抱えている、あるいは今ある問題の解決をIT技術によって解決を試みるクライアントに対してリサーチを行い、問題の原因分析、解決策の提案、そして実行支援としての、システム導入・改善まで、一貫したサービスの提供を行うことで、問題の解決を行い、利益増を目指すことを究極の目的としています。