業績アップに必要な2つの切り口 「ビジネスモデル」と「ビジネスプロセス」
では、このローコード・ノーコードプラットフォームであるAppflowを活用し、どのように業績アップにつなげていけば良いのでしょうか。
その切り口となるのは、序章でも述べた「ビジネスモデル」と、「ビジネスプロセス」なのです。
序章でも述べた通り、ビジネスモデルとは「企業がどのようにビジネスを行い、利益を上げるのかを決定する戦略的な事業の型」ということができます。 船井総合研究所では、業種ごとに、時流に適応させた旬なビジネスモデルのことを「ズバリ・ソリューション」と呼び、年間200以上のズバリ・ソリューションを提供しています。
そして、ビジネスプロセスとは仕事の進め方であり、「ビジネスモデルを支える顧客接点までを含んだ業務プロセス」のことです。DX(デジタルトランスフォーメーション)とは、このビジネスプロセスをデジタルにより最適化する取り組みを指します。
というかけ合わせで企業変革を行うと、短期間の間に劇的な業績向上を実現することが
できるのです。
ビジネスモデル(ズバリ・ソリューション)については、序章あるいは先ほど述べた通り、業種の数だけ存在します。
しかしビジネスプロセス(DX)についていえば、ある程度の業種に共通化できるレベルで単純化することができます。 具体的に、業績向上に直結する「SoE(システム・オ ブ・エンゲージメント:顧客まわり/フロントオフィス)」分野においては、 次の式に因数分解して説明することができます。
<DXで業績向上につなげるための方程式〉売上 = 案件数 x 受注率 x 平均単価
実際にはビジネスモデルごとに、もっと細かく因数分解をすることができますし、業種ごとにKPIも異なります。しかし、デジタルを活用して業績向上につなげていく、という観点では、全ての業種・ビジネスモデルについて右の方程式で説明することができると考えます。
「売上」は先ほどの方程式の通り、「案件数」と「受注率」、さらに「平均単価」を”かけ算”したものです。つまり、「売上」を上げるためには、「案件数」を増やすか、「受注率」を上げるか、または「平均単価」を上げる必要があります。あるいはこれら要素のうち2つ、 または全てを上げるということも考えられるでしょう。
ここで「案件数」とは、商談数と言い換えることもできます。
また「受注率」は、成約率と言い換えることもできるでしょう。
そして「平均単価」とは文字通り、自社で取り扱っている商品(製品)、あるいはサービスの単価の平均値ということになります。 ここでポイントとなるのは、次の3つです。
①いかにデジタル変革によって「案件数」を増やすか
②いかにデジタル変革によって「受注率」を上げるか
③いかにデジタル変革によって「単価」の高い商品(製品)・サービスを効果的に売るか
「業績を上げる方程式」の各要素を向上させるデジタルツールの役割について示します。業績向上に結び付けるDXとは、まさにこうした各ビジネスプロセスのデジタルツールを“つなぐ”ということになります。
なぜローコード・ノーコードが売上アップに有効なのか
では改めて、なぜ、Appflowのようなローコード・ノーコードツールが「売上アップ」に有効なのでしょうか。
それは、先ほど述べた「DXで業績向上につなげるための方程式」の領域、すなわちSoEの領域というのは、会社ごとにビジネスプロセスがバラバラだからです。
逆にSOR(システム・オブ・レコード: 基幹系/バックオフィス)の領域では、同じ業種・業態であればビジネスプロセスはどこもおおよそ似通っています。
したがって、販売管理や生産管理、労務管理、会計管理といったSoR領域であれば、「パッケージソフト」だったとしてもある程度はカスタマイズなしで使うことができます。
逆に従来のITベンダーは、「あなたの会社の仕事の進め方(=ビジネスプロセス)ではな く、このパッケージソフトの仕事の進め方(ビジネスプロセス)に合わせた方が効率は 上がります」と言って、システムを販売してきた歴史があります。
ところがMA(マーケティングオートメーション:自動化)、SFA(セールス・ フォース・オートメーション営業管理)、CRM(カスタマーリレーションシップ・マネジメント 顧客管理)といったS0E領域では、そうはいきません。 なぜなら、繰り返しになりますが、このSoE領域というのは、仮に同じ業種であったとしてもビジネスプロセスが事実上バラバラであることが多いからです。
例えば、営業会議で使用する営業帳票ですが、 財務関係の書類と異なり、その会社によって形式や種類がバラバラであることが一般的です。 同じ業種の会社であっても微妙に取り扱う商品や、あるいは顧客の特性が異なると営業面の管理項目が異なってくるからです。
また”案件発生”から”受注”に至るプロセスも、同じ業種であっても会社ごとにバ ラバラであるケースが多いのです。 例えばリフォーム会社において、ショールームでの接客をを重視する会社であれば受注プロセスの中に「ショールーム誘導へのアポ獲得」「ショールームでの再訪問アボ獲得」といった管理項目が入るでしょうが、そもそもショールームを持たず人的営業のみで対応している会社の場合は、受注プロセスが異なるはずです。
それでも従来のITベンダーというのは、先ほど述べたように 「SFAやCRM分野においても、パッケージソフトに仕事の進め方を合わせてください」「その方が効率は上がるはずです」と、システムを売ってきた歴史があります。 しかし実際には、パッケージソフトをそのままでは使い続けることができず、カスタマイズをしようとすれば高額な費用を請求されたというのはよくある話なのです。
あるいは、導入の段階でパッケージソフトを大きくカスタマイズした結果、そのソフトのバージョンアップにカスタマイズした部分が対応せず、後々に大きな問題になった、といったケースも多々あります。 このように、費用の問題や技術的な問題から、本来行うべカスタマイズを行うことができず、 その結果、 現場から「こんなシステムは使えない」と苦情が出たり、それが使われなくなったりするケースもあります。
そしてよく見られるのが、既存のSFA(営業管理システム)やCRM(顧客管理システム)だけでは結局管理がしきれず、こうしたシステムとは別にエクセルの票をつくり、システムとエクセル帳票とで二重管理を行っている、というケースです。
あるいは、見積りを作成している「販売管理システム」とSFAとの連携が行えず、「販売管理システム」で作成した見積書と同じ情報を再度、SFAに手打ちで入力するといったケースもよく見られます。
しかし、Appflowのようなローコード・ノーコードであれば、 例えば従来はパッケージソフトのベンダーに数十万円、数百万円支払ってカスタマイズしてきた内容のことが、無料かつその場で簡単に修正できるようになります。
もちろん、この「無料かつその場で簡単に修正」というのは、そのローコード・ノーコードプラットフォームの「標準機能の範囲」に絞られますが、一般にAppflowに代表されるローコード・ノーコードプラットフォームというのは「標準機能の範囲」が非常に広いので、
・ここの画面に、 この項目を追加してほしい
・この項目と、この目を入れ替えたい
・この画面をエクセルで出力できるようにしたい
といった変更(カスタマイズ) であれば、ユーザーサイドでできてしまう、というのが最大の特徴です。
どうしても標準機能外のカスタマイズを行う場合は、専用の開発言語(Appflowの場合は前述のDeluge <デリュージ>) を使えば、 カスタマイズは可能になります。 とにかくパッケージソフトと異なり、ローコード・ノーコードというのは「簡単にカスタマイズを行う」ことを前提につくられているのです。
またAppflowの場合は特にそうですが、一般にローコード・ノーコードというのは他システムとの「連携」を重視してつくられています。 Appflowの場合も前日に述べた通り、APIが用意されており、初めから他のシステムとの連携を前提に開発されています。
したがって、すでに自社で使っている販売管理システムなど、 基幹システムと連携させる、といったことが比較的容易、かつローコストに実現可能なのです。
さらにローコード・ノーコードであれば「小さく始めて大きく育てる」ことが可能です。
例えば本来的に、SoE分野のデジタル変革を実現しようとすると、ビジネスプロセスに対応するデジタルツールとしては、
①集客サイト(ソリューションサイト)/問合せフォームなど:最初の顧客接点
②チャットボット・ポップアップスクリーンなど/Web接客システム
③MA:顧客育成
④SFA:営業管理
⑤CRM:顧客管理
と、これら全てを統合して構築する必要があります。
しかし実際には、最初からこうした①~⑤を統合したシステムを立ち上げようとすると、 計画を立てるのも大変ですし、色々な意味でリスクも高くなり、プロジェクトとして前に 進めていくことが難しくなります。
その点、こうしたSoE分野のビジネスプロセスも網羅しているローコード・ノー コードプラットフォームであるAppflowの場合、まずは最初のビジネスプロセス(最初の顧客接点)である、自社の集客サイト(ソ リューションサイト)への問合せフォームなどへのタグ埋め込み(前述の①に相当)と、チャットボットやポップアップスクリーン(同じく②に相当)からスタートして、チャットボットやポップアップスクリーンを設置したことによって「問合せ数(リード)」がしっかり増えた、という成果をもって、次のステップであるMA(同③)に進み、さらにその後、SFAのステップに進み(同④に相当)、そしてCRMのステップに進んで(同5)、最終的に「需要創出→受注」というSoE全てのビジネスプロセスを網羅させることができるのです。
本章の中でご紹介する数多くの「成功事例」も、こうした全てのビジネスプロセスを網羅している事例もあれば、ステップを踏みながらこれらのうち一部のプロセスに限定して取り組んでいる事例もあります。
いずれにしても、DXは「小さく始めて大きく育てる」という発想が必要で、Appflowであればそれが具現化できる、ということなのです。
ではここから、具体的にAppflow導入の具体的な事例について述べていきます。本章では、売上アップの事例を中心に、大きく次のように分類してご紹介していきます。
①接客ビジネス
②BtoCセールス
③BtoBセールス
④EC
これら4つの形態は、それぞれビジネスプロセスが異なりますし、顧客特性も大きく異なります。ところが、ローコード・ノーコードプラットフォームであるAppflowであれば、このような異なるビジネスプロセスの全てに対応が可能であり、顧客特性が大きく異なる顧客に対しても適応可能なプラットフォームです。
これら4つのビジネス形態の特性の違いについて、 下の図表に示します。
こうした異なるビジネス形態であっても、 Appflowで短期間に業務が劇的に上がる理由は大きく次の2つです。
(理由1)
Appflowはパッケージソフトではなく、ローコード・ノーコードプラットフォームなので、まるでレゴブロックを組み合わせるかのように、自由自在にその会社に合ったシステムを構築することができる。
(理由2)
ローコード・ノーコードの特性を活かし、その業界における最適なベストプラクティスのやり方をAppflow上に実装することができる。
序章でも述べた「100を超えるズバリ・ソリューション」を有する私たちが、Appflowというローコード・ノーコードプラットフォームを選択した最大の理由がこの点にあります。
ではまず、上記の「接客ビジネス」から見ていきたいと思います。
Appflowによる売上アップ事例:①接客ビジネス
事例① チャットボットからの来店率アップを実現する自動販売店
例としてある自動車販売店は、拠点敷地面積約5000坪の超大型店舗を構え、軽自動車販売店舗を中心に普通車販売店舗、車検整備工場、鈑金修理工場を持ち、さらにガソリンスタンド、コインランドリー、フィットネスジム、カフェを併設して事業として展開しています。
同社がAppflowを導入し、チャットボットに代表されるChatOpsの「Web接客」機能で「業績向上に直結する」になります。
●チャットボット導入で、問合せ数が毎月40件増加
具体的にWebサイトから「自動車の見積り」「その他の問合せ」をしようとすると、Webサイト上の「お問合せフォーム」から問合せるしか選択肢がない状態でした。ところが、 実際問題として、この「お問合せフォーム」から問合せをされるお客様というのは”ある程度の購入意欲”を持ったお客様なので、一定以上のハードルがあります。その結果、従来は「購入意欲はそこまで高くなくても、 中長期的に自動車購入を検討しているお客様」を取り逃がしている状態だったのです。
そこで同社では、ChatOpsのチャットボットを導入し、自動車販売店のシナリオをチャットポットに組み込むことで、Webサイトを閲覧しているお客様に対して自動的にチャットボットが”お声かけ”を行い、その流れのまま、新たな問合せや来店予約を獲得することが可能となったのです。
その結果、専用フォームでは見られなかった層からの問合わせがチャットボットから舞い込むようになり、導入1ヶ月目で20件、3ヶ月目には30件の問合わせを獲得します。現在では安定して、月40件の問合わせをチャットボットから獲得できています。
●チャットボット+MA・CRM (SFA)との連携で来店率8倍を実現
チャットボットの導入により問合せそのものが増えたとはいえ、前述の通りチャットボット経由で流入してくるお客様は、「お問合せフォーム」から流入してくるお客様よりも”温度の低い”お客様です。あるいは、気軽に問合せができるということで、自動車販売とは関係のない問合せをい店率はわずかに少ないと、他の流入経路と比較して明らかに低い数値となっていました。
そこで同社では、まず ChatOps CRMを活用し、 チャットボットから問合せをしたお客様の「ステータス」を細かく管理することにしました。それまでは、「対応したかどうかの有無」「来店したかどうかの有無」くらいの管理しかできていませんでした。
そこから、ステータスを細かく管理した結果、「未対応」「メール済」「不通」「メール済かつ不通」「通電済」といったステータス管理に加え、メールでのやり取りの履歴管理、複数回架電の際のやり取りの履歴も ChatOps CRMで管理を行うようにしました。また、ChatOpsのMA機能を活用することで、メールの自動配信なども行っています。
その結果、チャットボットからの来店率が、8倍以上に改善しました。 その後も安定的数値を維持することができています。
こうした改善が効果的に行えるのも、ChatOpsがチャットボットのみならず、MAやSFA、CRMといった幅広いビジネスプロセスに対応できているからです。さらに導入後、簡単にカスタマイズが行えるローコード・ノーコードであるからこそ短期間の間に効果的な改善を行うことができたのです。
事例② チャットボットからの新規LINEアカウントの毎月90件獲得を実現した接骨院
例えばある接骨院は整骨院や鍼灸院、美容整体サロンやジムと多角的に事業を展開されています。
コロナ禍をきっかけとして、 接骨院でも予約制を導入するケースが増えました。 その時、電話のみで予約に対応するのは大変なことです。 そこで予約システム、あるいはLINE公式アカウントを導入して、患者様とのやり取りをスマートフォンで行うケースが増えました。
また、LINEアカウントなどの連絡先を取得することにより、 予約の利便性が上がるだけでなく、 プロモーションやイベントの告知、 再診患者の呼び起こしなど、様々な活用が可能になります。
同院では、実際に行う問診と来院時に受けるよくある質問事項からQ&A形式で内容をまとめ、チャットボットを構築しました。 そして、このチャットボットを自社Webサイトに実装したところ、わずか1ヶ月で91件もの新規LINEアカウントを獲得することができました。
さらに、チャットボットのシナリオを改良することにより、多く新規LINEアカウントを獲得しました。その結果、もちろん新規に来院される患者様の数も増加しています。
加えて、このチャットボット経由で収集したデータから、Webサイト来訪者のニーズを把握することができるようになりました。チャットボットから収集したデータに基づき、自社Webサイトのコンテンツの修正や追加を行うことにより、さらにWebサイトからの問合せ率を上げることができるようになっています。
●さらに広がる治療院におけるChatOpsの活用
ChatOpsは様々なPOSレジシステムと連携することも可能です。こうしたPOSレジとChatOps CRMを連携させることにより、次のような項目を自動的に把握することができます。
・リピート率
・患者様それぞれの最終来院日
・1日の売上と商品別売上
・施術者別売上ほか
従来は、こうした分析を行うためには、相応の工数を割いて情報を集め、分析を行っていました。チャットボットの導入という、ビジネスプロセスの「最初の顧客接点」に加え、顧客管理(CRM)といった領域までChatOpsの活用を広げることで、治療院経営においても大きなメリットを獲得することができます。
Appflowによる売上アップ事例:②BtoCセールス
では、ここからはBtoCセールスにおける成功事例を見ていきたいと思います。
本章の冒頭でも述べた通り、BtoCセールスとは、主に「一般消費者」を対象とした営業のことを指します。ここでは「不動産会社」の事例をお伝えしていきます。
事例③ ChatOps・Appflow導入で、業績2倍を実現した不動産会社
例としてある不動産会社は不動産売買仲介・不動産買取販売、中古住宅リフォーム・リノベーション、建築請負業と多岐にわたり事業を展開されています。社長ご自身が経営にChatOpsをフル活用して、業績向上に結び付けています。
そんな同社も、ChatOpsを導入する前は、次の3つの経営課題がありました。
課題1:組織が拡大するにつれて、営業社員のマネジメントが困難になったこと
課題2:毎月獲得した営業案件へのフォローの取りこぼしが顕在化していたこと
課題3:不動産や建築など、事業ごとに異なるKPIやKGIの複数データをエクセルで管理することの限界
特に、同社の場合は右記の通り、不動産・建築といった異なる事業を広く展開しています。また、拠点が増えるごとに管理するデータも増えるため、経営数字の管理に頭を悩まされています。
様々なパッケージの販売管理システムの導入も検討しましたが、自社の成長に伴って柔軟にシステムを拡張・修正できるローコード・ノーコードが自社にとってベストと判断し、ChatOpsの導入に致りました。
●ChatOps導入で実現できた5つのメリット
そして同社では、を導入した結果、次の5つを実現することができました。
①MAによる商談の取りこぼし防止と、新規商談の創出
これまでは事業別に存在する自社サイトや各種ポータルサイトからの取合せにおいて、すぐに不動産購入や不動産売却に至らないお客様、あるいは成約に至らなかったお客様に対してのフォローは、全て営業担当者任せにしていました。
しかし、ChatOps導入後は会社でこうした見込み客の一元管理を実施します。顧客属性別にMAを実施することにより、ある一定のコストに達した見込み客を、営業担当者に割り振れるようになりました。その結果、これまで取りこぼしていた営業案件を成約につなげられ、効率的な営業活動が行えようになりました。
今では営業社員ではなく、事務社員が客媒体からの取合わせ反響に対応しており、営業社員に対応していた時よりも成果を上げることができています。
② CRM・SFAによる顧客情報の一元管理と、広告の費用対効果の最適化
従来は自社サイト、ポータルサイト、一括査定サイトなど、各種集客チャネルごと事業ごとに分けて営業管理帳票を集計、管理していました。 そこで、 ChatOps CRMを導入後は全ての顧客情報が集客チャネルごと、事業別に統合されて一元管理ができるようになりました。
この一元管理により、各事業部別に各種集客チャネルの引合い管理はもちろん、 広告の費用対効果もあわせて管理ができるようになります。そのため、費用対効果が良い媒体に対して積極的に投資し、一方で費用対効果が悪い媒体は改善、あるいは継続するかどうかの検討もマーケティング会議で議論できるようになりました。
さらに、営業活動中の顧客状況も全てデジタル管理することで可視化され、引合い獲得から契約までの顧客状況を全て把握できるようになりました。
③SFAによる成約率の向上と、新人社員の早期育成の実現
これまで、同社はエクセルベースで営業案件の管理をしていました。 また、営業案件の進捗を把握するための会議を週1回実施し、そこで案件の帳票を確認しながら会議を実施していました。
ChatOpsによるSFAを全営業担当者が導入することで、マネージャーが各営業担当者の顧客アンケートと営業活動状況のメモを確認し、リアルタイムで個別に営業社員に次のアクションの指示を出せるようになりました。
その結果、週1回の営業会議を待たずに、リアルタイムで営業プロセスからアクションのマネジメントまで実施できるようになり、営業担当者の成約率向上につながりました。
特に、業界未経験の営業社員に対して細かく管理・指示できるようになったので、若手社員の早期育成にもつながっています。こうして、業界未経験の社員でも活躍できる環境づくりができたため、人材を辞めさせず育てることが可能になり、離職率も5%以下を維持しながら組織の成長につなげられています。
④BIによる全社・事業部別・営業社員別の業績管理と、 各種KPI管理、各営業課題の抽出・見える化
従来は、毎年作成している事業計画の今期目標と、事業ごとで決めたKPIを月次でエクセル管理していました。 ChatOpsの導入後は、 ChatOps Analytics で各事業部の予実管理がリアルタイムで一元管理・把握できるようになりました。
その結果、前述のKPIの達成状況も同時に把握できるようになり、PDCAサイクルを回すスピードが以前よりも格段に速くなりました。
⑤業務効率の向上による、営業活動に集中できる環境づくりの実現
これまでは、契約書の作成に1時間ほどを要していました。 しかしChatOps導入後は、ChatOps CRM上に入力済みの顧客情報をもとに、わずか5分で契約書を作成できるようになりました。さらに、契約書を電子管理できるようになり、保存や検索も容易になりました。
また、従来は対面で行っていた不動産物件の契約時に必要とする重要事項説明(重説)をオンラインで実施可能な”IT重説”も導入しています。 こうした環境を実現できいたことが、同社の業務効率の向上にさらなる貢献を果たしました。
同社ではこうした一連の取り組みにより、ChatOps導入後2年間で年商5・6億円から10億円突破を達成しました。 売上総利益においても、2.7億円から5億円と約2倍にまで業績が向上しました。
「これだけ成長できたのは、 ChatOpsを活用することで実績のマネジメント、プロセスのマネジメント、アクションのマネジメントができるようになったからだと思う」と、同社の山下社長は語られています。
ChatOpsを導入して何より手ごたえを感じているのは、事業部別にあらゆる経営データを管理し、可視化ができるようになったことで、勘を頼りにしていた経営判断がデータをもとにできるようになったということです。 同社の事例は、従来の「勘を頼り」にする経営から、ChatOps導入によるデータドリブ ンにシフトしたことで、大きな業績向上につながった顕著な成功事例といえるでしょう。
Appflowによる売上アップ事例:③ BtoBセールス
ここからはBtoBセールスにおける成功事例を見ていきたいと思います。
本章の冒頭でも述べた通り、BtoBセールスとは、主に「法人」を対象とした営業のことを指します。ここでは「製造業(部品加工業)」「生産財商社(販売店)」 「運送会社」の事例をお伝えしていきます。
事例④ 上場会社クラスの優良顧客を続々新規開拓し、特定顧客依存から脱却した町工場
例えばある製作所会社は、主に産業機械(工作機械)の精密部品加工を手がける機械加工業です。 もともとは旋盤加工からフライス加工、研削加工での一貫対応や、”篏合” といった研削技術を強みとしていましたが、近年では活用して 「ナノ加工」といわれる超精密加工分野にも着手する、 受託型加工業(いわゆる町工場) のモデル企業です。
そんな同社も、2020年から本格化したコロナでは既存顧客の売上が大きく減少し、既存の人的営業をカバーできる新たな営業手法が求められました。
そこで、同社が取り組んだのがAppflowの導入でした。
●ソリューションサイトから毎月40件前後の新規顧客リストを獲得
まず同社では、元々持っていた自社の「会社案内サイト」に加え、次の2つのソリューションサイト(集客サイト)を立ち上げました。
この2つのソリューションサイトでは、毎月新しい技術情報や製品事例を追加することで、数多くの引合いの獲得ができるようになりました。 そして、会社サイトからの引合いも合わせて、毎月40件以上もの見込み客リストを獲得できました。
同社の3サイトは、全てChatOps CRMに情報が集約されるような連携設定がされているため、自動的に新規顧客のリストが同社に蓄積されて行きました。
●MAによるナーチャリングで国内大手メーカーからの開発案件の引き合いを獲得
同社では蓄積した新規顧客を含む顧客リストに対し、毎月アップした様々な技術情報をメールマガジンで配信しています。これは、ChatOpsのマーケティングオートメーション(MA)機能により、メールマガジンの開封状況やクリックの有無、さらにWebサイトの閲覧状況も把握することで、誰が(どの企業)がどのような情報に興味関心があるのかというニーズをリアルタイムで把握できるようになりました。
実際にあったケースとして、国内大手半導体関連メーカーの試作開発担当者の方からの引合いです。
また案件の内容も、まさに同社が得意とする内容でした。これはお客様が同社のメールマガジンの継続的な閲覧によって同社への理解度が高まり、具体的な案件が生じた際に真っ先に加工先候補として挙がったと考えられます。
●Appflowで営業活動の効率化(選択と集中)を実現
また、同社では従来エクセルで管理していた営業活動体を、ChatOpsのSFA機能を用いたものへの置き換えを決断します。 客先の仕事量も減少しているタイミングでは、どの顧客に集中して営業活動を仕掛けるかが重要と考えたのです。
そこで、 ChatOps CRMのSFA機能を活用することで、どの企業の、どの案件が、どのような進捗かが一目で可視化できるようになりました。
営業会議においても、ChatOps CRMのSFA機能を用いて進捗確認をすることで、フォロー案件の抜け漏れもなくなり、注力すべき企業や案件に集中した営業活動ができるようになりました。
さらに、Appflow のローコード・ノーコードという特徴を活かし、同社では営業活動に関する様々なデータやKPIを自社が使いやすいように可視化し、様々なレポートやグラフも同社の営業担当者が自由自在に作成しています。
これによって、同社の営業活動はさらに効率化すると同時に、顧客や市場のニーズを自社の製造部門でも把握し、新たな設備投資や技術開発に結び付けるという好循環が回るようになりました。
同社の事例は、受託製造業におけるChatOps活用のマーケティング営業活動の大きな成功事例といえるでしょう。
事例⑤ 毎年1億円の新規開拓に成功している生産財商社
例としてある生産財商社はもともと、切削工具や機械工具といった「物販」をメインとするビジネスに注力してきましたが、近年では工事・メンテナンスといった「エンジニアリング」を主体とするビジネスに変化していきました。
●既存のSFAからChatOpsへの切り替えを決断
こうした「エンジニアリング」を主体とするビジネスを展開しようとすると、従来の「物販」中心のビジネスよりも、さらに社内の担当者間の「情報共有」が重要になります。同社では案件や事例・外注先情報の共有も目的として、国内でも有数の高シェアを誇るSFA(営業管理システム)を導入しました。ところが、このSFAはパッケージソフトウェアであったため、「入力項目を追加したい」「この入力項目は使わないから削除したい」「こういうデータを出力したい」といったカスタマイズ全てに費用が発生してしまいます。
また、同社では新たな事業展開も多いため、どうしてもSFAもそれに合わせたカスタマイズが必要になってきます。ところが、その度に大きなコストがかかる、となると本当の意味でのSFAの活用ができません。
そこで同社では、既存のSFAからChatOpsによるSFAへの置き換えを決断しました。 Appflowに置き換えを決断した理由は「目の前で自由自在に画面の構成や入力項目を変更できる様子を見て、これなら当社の変化にもついてきてくれるシステムだと確信した」と述べています。
●ChatOpsのマーケティングオートメーションにより顧客のニーズを把握した営業活動を実現
同社がSFAをChatOpsにリプレイスして得られたメリットは、前述のカスタマイズ性の話だけではありません。
ChatOpsはMAとSFAが連動しているため、お客様に訪問する前から顧客ニーズの把握が可能になります。 そこで、まず同社ではお客様に対してChatOpsから定期的にメールマガジンを配信しています。 そして、 ChatOpsから配信されたメールマガジンは、同社が運営する9つのソリューションサイトにリンクが飛ぶようになっています。
同社が運営する9つのソリューションサイトのテーマは次の通りです。
・加工
・工事全般
・配管工事
・塗床工事
・メンテナンス
・中古機械
・FA(省力化・自動化)
・現場改善
・脱炭素(カーボンニュートラル)
これにより、お客様がどのメールマガジンを閲覧し、その後、どのソリューションサイトのどのページを閲覧されていたかという情報を、SFA上で確認することができます。
ソリューションサイトのテーマは、右に挙げた通り、お客様(=製造業のエンジニア)が関心のあるテーマをほぼ網羅しているため、「どのお客様が」「どんなテーマに興味があるのか」をChatOpsにより把握できるようになっています。
当然ですが、お客様も忙しいため、むやみやたらに訪問すれば良い、というものではありません。そのため、同社ではお客様のニーズを把握しつつ、的確な提案営業活動が行える環境を整えているのです。
●ソリューションサイトを中心とした新規開拓活動で、毎年1億円の新規受注を獲得
もちろん、前述の9つのソリューションサイトには、既存顧客はもちろんのこと、新規顧客からも毎月コンスタントに新規引合いが発生しています。9つのソリューションサイトから発生する問合せや資料ダウンロードの情報は、全てChatOpsと自動連携されており、ChatOps CRM内に顧客データとして蓄積されていきます。
そして、蓄積された顧客データに対しては、前述の通りメールマガジンが定期的に配信されるようになり、それによって把握できた顧客ニーズはSFAから全て確認ができます。営業担当者はSFAでこうした顧客ニーズを把握した上で、営業活動が行っていけるということです。
こうした一連の取り組みにより、同社では工事・メンテナンスやエンジニアリング関連の案件など、毎年1億円もの新規顧客からの受注ができるようになりました。同社の事例は営業面でのデジタル変革における、大きな成功事例であるといえます。
Appflowによる売上アップ事例:④EC
Appflowは接客や営業といった人的販売だけでなく、ECのようなネット通信販売においても業績アップに対して大きな効果を発揮することができます。
ECのようなネット通信販売の場合は、LTV(顧客生涯価値)という概念があり、1人の顧客あるいは1社の顧客が取引を始めてから終わるまでの期間に、どれだけの利益をもたらすのかを重視しています。なぜなら、多くの場合、ECで新規顧客を獲得するためにはインターネット広告をはじめとした様々な広告費をかける必要があり、新規獲得できた顧客1人あたり広告費(あるいはその他経費)を回収するだけの十分なLTVが求められるからです。
こうしたLTVを高めていくためのCRM(顧客管理システム)が重要で、例えば、
・一度購入してから二度目の購入のない顧客に対しては、タイミングをみて無料クーポンのメール送付等、 二度目の購買を促す活動を行う
・購入履歴に応じて、別のおすすめ商品の購入を促す案内メールを送付する
といった施策を、属人ではなく自動的に行う仕組みが求められます。
こうしたLTVを高めていくにはCRM(顧客管理システム)は、最低限の機能はECショップ内にあるECカートシステムに実装されているケースが大半です。 しかし、ECである程度以上の売上ができてくると、もっときめ細かな施策を打っていく必要が出てくるので、どこかの段階で自社ECのカート(EC決済システム)と連携した、EC用のCRMを導入するケースが一般的です。
こうしたEC用CRMの分野においても、 ChatOpsは広く導入実績を持っています。
ここでは「食品EC(ネット通販)」を手がける会社の事例をお伝えします。
事例⑥ コスト3分の1、事業売上3倍を実現させた食品メーカーEC
例としてある食品メーカー会社は、従業員200名、国内に5ヶ所の営業拠点を有し、営業担当者は約25名。 国内外の外食や中、ホテル・旅館を顧客に業務用食品の製造・卸を行っています。
堅調に業務用部門の売上を伸ばしているものの、国内の外食市場の成熟化や横浜市内の中小規模の得意先の先細りへの懸念から、2018年に新事業として消費者直販のだしパック通販事業を立ち上げています。
●食品EC事業で抱えていた3つの課題
そんな食品EC事業も、事業をスタートして現在に至るまでに次の3つの課題が顕在化してきました。
1つ目は、事業拡大とともに顧客名簿の件数が増大するにつれ、使用していたEC用CRMツールのコストが増大していったことです。 従来のツールは顧客名簿の件数に応じて費用が大きく増えるため、事業が拡大するほどツール費用も大きく増大してしまったのです。
そして2つ目は、新規獲得した顧客のリピート対策です。
さらに3つ目は、リピート率やTVなど、EC事業におけるKPIデータを元にした販促施策の立案と実行を効果的に行うことでした。
●ChatOps導入で、EC用CRMツールコストが3分の1に
従来使用していたEC用CRMをChatOpsに切り替えた最大の理由は、コストにありました。 ChatOpsであれば従来のEC用CRMの機能をほぼ満たしながら、 毎月のコストは約3分の1になりました。またAppflowであれば、顧客名簿の件数が増大しでも、それほどコストアップにつながらないことも大きなポイントでした。
さらにChatOpsであれば、同社のECで使用しているカートシステムとも連携が可能だったので、同社ではChatOpsへの切り替えを決断したのです。
これまで使用していたEC用CRMはパッケージソフトだったため、必ずしも同社の業務オペレーションに合致したものではなく、その機能を100%使いこなせていない状態でした。
その点、Appflowであればローコード・ノーコードなので、同社のオペレーションに合わせたきめ細かなカスタマイズを容易に行うことができます。 また、 KPIの分析もより効果的に行えるようになりました。
その結果、同社ではAppflowを導入し、次の5つのことが実現できるようになりました。
①必要なデータ・KPI全てが可視化され、意思決定が容易になった
従来は、受注データをショッピングカートから取り出してエクセルで集計を行っており、分析に工数を要すると同時に、リアルタイムでの分析ができていませんでした。そこで、同社で利用しているショッピングカートとAppflowを自動連係し、新規顧客と既存顧客の売上比率や顧客ランク、 LTV、F2転換率(2回目の購買への転換率)、併商品を簡単に把握することが可能となりました。
こうして空いた工数を利用して、販促施策の策定やメールマガジンの作成などに効果的に時間を活用できるようになりました。
② F2転換率を上げるため初回購入客へのステップメールの配信
同社では「だしパック」と「白だし」、そして「離乳食専用のおだし」が通販を初めて利用されるお客様に利用されていました。 初回購入客数は順調に増加していましたが、2回目のリピート率が課題となっていました。
そこで、初回購入のお客様への次回利用促進のためのキャンペーンを設定するとともに、自動的にメールが配信されるステップメールを活用することとしました。ステップメールを配信する日時や、 どのような商品やキャンペーンをご案内するかは、 Appflowで分析した転換日数分析や、商品転換率分析を活用することで、データに基づくマーケティング施策が立案できるようになりました。
それまでは色々な商品を試してもらいたいという思いから、2回目購入の提案商品が定まらず、メールを送るタイミングもバラバラでしたが、②を実施し、効果検証を重ねることでF2転換率が向上していきました。
③ メールマガジンの配信によるCVR率の向上
CVR率(コンバージョン率)とは、自社ECサイト等への訪問者のうち実際に購入に至った件数の割合のことです。
食品ECで最もCVRが高い注文経路は、既存顧客へのメルマガです。 一般的に食品ECの場合はメルマガ経由からのCVRは8~9%が目標値ですが、フタバ様の場合は4・5%とメルマガ経由のCVRの低さが課題でした。
そこで、 ChatOpsを活用し、メールを送ることで配信メルマガごとの開封率、クリック、メルマガ内のどのコンテンツがクリックされたか、ユーザー毎の開封・クリック状況を把握できるとともに、 配信日時やメルマガのタイトル、配信ユーザー属性毎の数値を比較分析することにしました。
これらの機能を使い、メルマガの配信内容を分析し、配信日時の改善、配信コンテンツの改善、メルマガタイトルの改善を行うことで、メルマガ経由のCVRを目標の8%へと近づけることができ、売上アップにつながりました。
④顧客属性やランクに応じたダイレクトメールの配信
フタバ様では毎年、お中元とお歳暮シーズンには、EC会員へダイレクトメールを発送し、ギフトの案内や新商品情報をお届けしています。 しかし、これまではダイレクトメールを発送する顧客を絞り込むことなく、闇雲にしていたため、会員の増加とともにコスト高が課題となっていました。
そこでChatOps CRMの機能のRFM分析機能を活用し、顧客の購入金額・購入回数・購入期間を集計し、優良顧客を抽出しダイレクトメールを発送する方法へ切り替えたことで、ダイレクトメールからの受注率が向上するとともに、コスト削減へとつながりました。
⑤休眠客の掘り起こしに成功
さらにChatOps CRMを活用し、購入が1年以上ないお客様だけを抽出してメールマガジンを配信し、休眠顧客の掘り起こしを行いました。
その結果、メールを配信するごとに3~4%のお客様が購入に至りました。配信する メールは前述の ChatOpsを活用し、メールを送ることで配信メルマガごとの開封率、クリック率、メルマガ内のどのコンテンツがクリックされたか、ユーザーごとの開封・クリック状況を把握し、配信内容をブラッシュアップすることで効果的に休眠顧客の掘り起こしを実現しました。
こうした施策の実施により、ChatOps導入後、同社ではEC事業におけるLTV(顧客生涯価値)が115%向上、さらにCVR(コンバージョンレート)が176%もアップしました。このように、ECビジネスにおいても、ChatOpsを導入・活用することで短期間の間に業績向上に結び付けることができるのです。
ここまで、このローコード・ノーコードプラットフォームであるChatOpsを活用し、事例を通してどのように業績アップを述べてきました。
ご興味がございましたら、お気軽にお問い合わせください。