概要
フリーランスエンジニアは企業勤めのエンジニアより自由度が高く、給料も高い傾向にあるので、近年独立する人も増えています。しかし、使用するプログラミング言語によって単価に違いがあり、より効率的且つ長期的に稼ぐにはプログラミング言語のトレンドを把握しておく必要があります。
この記事では、稼げるプログラミング言語のランキング5選を紹介し、各言語の特徴や難易度・活用分野などを解説していきます。
フリーランスエンジニアとして稼げるプログラミング言語とは
フリーランスエンジニアとして稼げるプログラミング言語とはどのような言語を指すのでしょうか。
- 言語としての現在需要があり希少性が高い
- 言語自体に将来性がある(案件数が増える)
以上2点がポイントとなります。
言語としての現在需要があり希少性が高い
現在100種類以上も存在すると言われているプログラミング言語の中で、現在需要があり希少性の高い言語は稼げる言語になります。
例えば代表的なプログラミング言語である「Java」や「C#」などの言語は既に多くのエンジニアが利用しており、飽和状態となっているためあまり稼げる言語ではなくなりつつあります。
一方で「Go」や「Kotlin」といった言語はここ数年で流行ってきているプログラミング言語で有名どころと比べるとブルーオーシャンでもあり、十分に稼げます。そのほか、AI開発などに使われる「Python」や、iOSアプリを開発できる「Swift」なども注目度の高い言語です。
言語自体に将来性がある(案件数が増える)
先ほど言語としての希少性が高い言語が良いと紹介しましたが、単に希少性が高いだけではマイナーな言語になってしまい、案件数がほとんどないことも多いです。
希少性に加えてIT市場のトレンドを考慮し、言語自体に将来性があるのかどうか判断する必要があります。
例えば人工知能やAI、ブロックチェーンといった技術が今後伸びてくると予想されており、「Python」や「JavaScript」などは将来性があると考えられます。
そういった言語を扱えると、フリーランスエンジニアとしても待遇をよくして貰える可能性が非常に高いでしょう。
フリーランスエンジニア向け稼げるプログラミング言語ランキング5選
ここでは、先ほど紹介した稼げる観点を考慮して、https://tech.hipro-job.jp/ 平均単価データから、主要な5つの言語をピックアップして、平均単価順にランキングしました。結果は以下のとおりです。
順位 | プログラミング言語 | 平均単価 |
1 | Ruby | 883,789 |
2 | TypeScript | 875,169 |
3 | Swift | 857,885 |
4 | Python | 857,874 |
5 | Go言語 | 842,208 |
それぞれの言語について、以下で詳しく見ていきましょう。
1位:Ruby|可読性と保守性に優れスピーディーな開発が可能
Rubyは、web開発を得意としていますが、データ収集などにも用いられている言語です。主に、webサービスやスマホアプリの開発、Web上の指定したデータを抽出する「スクレイピング」という処理などに活用されています。
Rubyの特徴
Rubyは他の言語と比べてコードの記述が短く構造がシンプルで、文法がわかりやすい点が特徴です。コード量を圧縮することができるので、少ない工数でプログラムを作り上げることができます。
一つひとつの機能ごとにプログラムのまとまりが生まれるオブジェクト指向の言語なので、プログラムに変更を加えたときの変化や、バグが起こったときの問題箇所を特定しやすいのも特徴といえるでしょう。
Rubyの習得難易度
Rubyは、自然言語に近い文法とシンプルな構文で、初心者でも比較的習得しやすい言語です。ライブラリも豊富に揃っているため、複雑な機能も簡単に実装できます。
Rubyがよく使われる分野・業界
Rubyは、おもにWebアプリケーション開発やデータ分析などに利用される言語です。特にWeb開発フレームワーク「Ruby on Rails」の人気が高く、ECサイトやSNSなどで採用されています。
Rubyの市場動向・将来性
スピーディーに開発できるRubyは、スタートアップ企業やベンチャー企業で特に需要が高い言語です。一方、ランキングの案件数や利用実績からも読み取れるように、近年はPHPなどほかの言語が採用されるケースも多く存在感はやや薄れています。
2位:TypeScript|JavaScript後継の有力言語
TypeScriptは、JavaScriptを拡張して作られたプログラミング言語です。JavaScriptとの互換性を保ちつつ、静的型付けやインタフェースなどの機能の追加により可読性向上、大規模開発に適する、型推論による効率的な開発が可能などのメリットを持っています。JavaScriptに変わりフロントエンドのスタンダードとなることが期待される言語です。
TypeScriptの特徴
・クラスとインターフェースの定義が可能
・基本構文はJavaScriptとほぼ同じ
・Webアプリケーションのフロントエンド開発
・サーバーサイド開発
・大規模なシステム開発
TypeScriptの習得難易度
TypeScriptはJavaScriptほど簡単に習得できるものではなく、プログラミングの中では難易度が高いものです。また、オブジェクト指向の概念を知っておくべきプログラミング言語で、この部分も難易度が比較的高くなっています。動画を利用しなければ初心者にはイメージがしにくい部分があるため、いきなりTypeScriptを学ぶなら動画コンテンツがおすすめです。
TypeScriptがよく使われる分野・業界
TypeScriptはJavaScriptと同様、主にWebサイト・Webアプリケーション開発といったフロントエンド開発に使用されています。
TypeScriptの市場動向・将来性
TypeScriptはJavaScriptの上位互換にあたり、JavaScriptからの移行も容易なことから、将来性は高いといえます。背景には、Web開発の需要が続いていることや、Googleなどの大手企業に採用されたことで言語のサポートが推し進められること、JavaScriptの課題であった大規模開発にも対応していることなどが挙げられます。
3位:Swift|Apple社が作った新しいプログラミング言語
「Swift(スウィフト)」はApple社が作った新しいプログラミング言語です。Swiftの登場によって、iOSやMacのアプリケーションはすべてSwiftで開発できるようになりました。
今回は、今後OSを問わず幅広く使われていくことが予想されているSwiftについて、基礎知識や特徴、 Swiftを取得するメリットをご紹介します。
Swiftの特徴
Swiftは、ほかのプログラミング言語の仕組みや特徴を取り入れ、現代の開発環境に合うように作られています。
●現代的なモダンプログラミング
●他の言語との相互性
●名前の通り「迅速」なパフォーマンス
●Playgroundの実行環境
Swiftの習得難易度
Swiftの習得難易度は低めです。 SwiftはApple社が「Everyone Can Code」という考え方のもと、誰もが使いやすいモダンな設計と分かりやすいコードで作られました。 また誰でもSwiftを学べるよう無料の学習アプリも提供されているため、体験しながら学習することができます。
Swiftがよく使われる分野・業界
おもにApple社製品向けのiOSアプリやMacアプリの開発に用いられているほか、Webアプリの開発にも適しています。 Swiftが使われる理由としては、Apple製品との相性が良く、ほかのプログラミング言語を使うよりも開発が容易になるという点が挙げられます。
Swiftの市場動向・将来性
iPhone搭載のiOSが国内モバイルOSシェア1位を10年以上堅持する現状では、Swiftエンジニアには高い将来性があるといえます。「OSシェアはユーザー数、アプリ利用者数に直接関連すること」、「iOS開発元のAppleによるSwiftの優先的サポートを明言していること」により、iOSがシェアを維持し続ければ、SwiftによるiOSアプリも継続的に必要とされるためです。
4位:Python|AIやデータサイエンスなど先進分野で高い需要
Pythonは、AIや人工知能、ビッグデータの開発に多く用いられている言語です。主に、AIやデータ分析、webアプリの開発、事務作業の自動化などに活用されています。近年、AIの発達が進んできていることもあり、需要や人気が高まってきているプログラミング言語です。
Pythonの特徴
Pythonはコードの読み書きをしやすくするために生まれたプログラミング言語で、他の言語よりも少ないコードで簡潔にコードを書くことができます。誰が書いても同じようなコードに仕上がる点も特徴といえるでしょう。
また、開発に役立つプログラムをまとめた「ライブラリ」と呼ばれるものが豊富なのも特徴です。既存のライブラリを活かせると、自分の作りたいプログラムを容易に作成することができます。
初心者にも扱いやすく、業務に役立つ身近な言語として重宝され、プログラミング言語人気度ランキングでは、首位を争うほど人気が高い言語です。
Pythonの習得難易度
Pythonはシンプルな構文で、初心者でも比較的習得しやすい言語として知られています。オンラインで多くの教材やコミュニティがあり、学習環境が整っている点も魅力です。
Pythonがよく使われる分野・業界
人気が高い言語ということもあってニーズも高く、Pythonを扱う案件は比較的単価が高い傾向があります。ITプロパートナーズでは想定月収80万円から100万円の案件が多いです。
Pythonの市場動向・将来性
Pythonは、プログラミング言語ランキングでも常に上位にランクインする、現在もっとも人気の高い言語の1つです。AIやデータサイエンスなど将来性の高い分野で多く利用され、Web開発の分野でも採用が広がっているため、今後も高い需要が見込まれるでしょう。
5位:GO言語
Go言語とは、検索エンジンとして馴染み深いGoogleが開発したプログラミング言語です。
どのような言語なのかを一言で表せば、「シンプルかつ高速な処理が可能なプログラミング言語」で、有名なWebサービスの開発やサーバの構築などにも用いられています。世界的な動画配信サービスの「YouTube」やフリマアプリとして知られる「メルカリ」、国内有数のグルメサイトとして名高い「ぐるなび」など、実際にGo言語を採用しているサービスやWebアプリは少なくありません。
GO言語の特徴
Go言語(Golang)の特徴とは · 1.シンプル · 2.時代の流れに敏感 · 3.充実した開発環境と豊富なライブラリ · 4.処理が速い · 5.安全性が高い.
GO言語の習得難易度
Go言語はRuby、JavaScript、PHPよりも習得難易度はやや高く、C++、C言語、Javaよりも習得難易度の低い言語といえます。 つまりGo言語は未経験者の方でも習得しやすい言語です。 なぜなら、Go言語はオブジェクト指向の言語ではなく、繰り返し文もforの1つしかありません。
GO言語がよく使われる分野・業界
Go言語は主にサーバーサイドで利用される言語で、Webサーバーの構築やアプリ開発などで使われます。Goエンジニアとしての案件には、企業が提供するWebサービス関連や解析、アプリ開発などの業務が多い傾向にあるといえるでしょう。
GO言語の市場動向・将来性
Go言語は、比較的新しいプログラミング言語でありながら、YouTubeなどの世界的なサービスの開発にも活用されるなど、将来性に期待できる言語です。 シンプルなコードで複数のエンジニアによる共同作業に適していることから、今後も大規模なサービスの開発に活用される機会が増えていく でしょう。
まとめ
この記事を通じて、以下のポイントが明らかになりました。
フリーランスエンジニアが稼げるプログラミング言語の中で、1位はRuby、2位はPython、3位はPHPでした。
RubyとC言語では、平均単価に15万円(年収換算で180万円)の差があります。
平均単価の高さと案件数の多さは必ずしも比例しないことが分かりました。
フリーランスエンジニアが選ぶプログラミング言語は、自身のキャリアを築く上での第一歩です。新しい言語を学ぶ際には、「稼げる言語」「案件を獲得しやすい言語」の観点が重要な選択基準となるでしょう。
主要な7つのプログラミング言語の中で、稼げるとされる言語のTOP3はRuby、Python、PHPであり、案件数の多さではJava、JavaScript、Pythonが上位に位置しています。
このランキングや各言語の特徴・将来性を理解し、ご自身のキャリアプランに合ったプログラミング言語を選ぶのに参考にしてください。弊社では、豊富な経験を有するエンジニア陣が多言語に対応し、アウトソーシングの分野で活躍しております。オフショア開発のご検討している方は、是非ご遠慮なく、ぜひNALへお問い合わせ ください!