突然ですが、新型コロナウィルスのワクチン製造とソフトウェア開発の共通点は何だと思いますか?
それは、どちらも広く使われる前にテストが必要になるということです。
すべてのソフトウェア開発プロジェクトにおいて、ソフトウェアテストは非常に重要な工程です。
この記事では、ソフトウェアテストとは何か、さらにソフトウェアテストの重要性について深堀り解説し、ソフトウェアテストの工程についてご説明してます。
ソフトウェアテストとは?
ソフトウェアテストとは、ソフトウェアの不具合を発見・検出するための工程です。
ソフトウェアがユーザーの要求を本当に満たしているかどうかを確認するための手法ともいえます。
その結果、実用的で効果の高い、高品質な製品を生み出すことができるようになります。
そもそも100%完璧な製品というものはありえません。リスクやエラーが起こる確率は常に存在します。そのため、最悪の事態を想定して品質をチェックすることが必要です。それをソフトウェアアプリケーション開発の現場では「テスト」と呼んでいます。
ソフトウェアテストが重要な5つの理由
ITプロジェクトにおいてソフトウェアテストが重要な5つの理由は以下の通りです。
- リスクの軽減
- セキュリティの確保
- ユーザーのニーズに答える
- ソフトウェア開発の促進
- 製品の品質保証
では一つずつ見ていきましょう。
リスクの軽減
ソフトウェア開発において出資者にとって最も望ましくないことはバグの発生です。ソフトウェアの開発が完成し、運用段階でエラーが発見されると、時間やコストが膨らんでしまう懸念だけでなく、メーカーの評判にも影響を与えてしまいます。したがって、そのような不必要なリスクを回避するため、ソフトウェア開発ライフサイクルを通してテストを行う必要があります。
セキュリティの確保
ソフトウェアテスト製品の脆弱性を検出し、ハッカーの攻撃から製品の安全性を確保することは不可欠です。そのため、機密データの取り扱い、悪意のある侵入者や外部からの不正アクセスを防ぐという実用的な役割を持つ、セキュリティテストが生まれました。
ユーザーのニーズに応える
顧客の満足と信頼を獲得することは、ソフトウェア開発企業にとって究極の目標だと言っても過言ではありません。テストは、製品をリリースする前ににエンドユーザーのソフトウェア体験の感情を反映しています。
ソフトウェア開発の促進
テストの過程では、思いがけないバグを発見する場合もあります。それをきっかけに開発プロセスの改善や新機能の発見、さらにはより効率的な解決策を見出すことができるのです。
製品の品質保証
ソフトウェアテストは、メーカーが最初から合意している要件や方向性、計画、および関連文書に沿って開発できるように助けます。それにより、最終製品の品質が保証され、顧客のブランド力と信頼の強化に貢献します。
ソフトウェアテストプロセス
ソフトウェアテストプロセスとは、プロジェクトの開始から終了まで、専門家チームによって行われる一連の活動のことです。
テストライフサイクルには以下の6つの基本ステージで構成されています。
- 要件分析: テスト範囲を決定し、仕様書を研究する
- 計画: テストチームは、戦略、計画、アプローチを策定する
- テストシナリオ設計: テスト手順、テストシナリオ、テストケース、テストデータ、テストスクリプトなど、テストケースを作成する
- テスト環境の設定: テスト用のプラットフォームやデバイスを含むテスト環境を準備とインストール
- 実施: テストチームが、テスト計画とテストケースに沿ってソフトウェアを実行する
- テストサイクル終了: 終了基準を満たしたときにテストを終了し、現在のテストサイクルから教訓を得る
ソフトウェアテストの手順
図の中のテストプロセスとステップは非常に複雑に見えます。しかし、これらのステップを完全に実施し、さまざまなタイプのテストを組み合わせることが、ソフトウェア開発プロジェクトの成功の決定的な要因となります。
受け入れテスト
ソフトウェア業界では、さまざまな種類のテストが行われています。製品に関する分野に基づいて適切な種類を選択することが大切です。
リリース後にソフトウェアが運用可能な状態にあるかどうかなどを検証するための受け入れテスト(UAT)についてご紹介します。
受け入れテスト(UAT)とは?
ユーザー受け入れテスト(UAT)は、システムが正常に動作しているか、要件を満たしているかどうかを確認するために、発注者自身が実施するテストの一種です。
誰が受け入れテストを行うのか?
受け入れテストを行うのは発注者(ソフトウェアの所有者)です。なぜなら、製品に対するニーズや要望(またはエンドユーザー)を最も把握しているのは発注者だからです。
UATを実施するために満たすべき条件
UATは、機能テスト、統合テスト、システムテストの後、最終テストフェーズで実施されます。
つまり、UATは開発者によるテスト段階の後に実施されるというわけです。
UATテストのプロセス
UATテストは6つのステップで構成されており、クライアントの拠点でシステムの仮想ユーザーによって実行されます。
ステップ1:ビジネス要件の分析
ステップ2: UATテスト計画の作成
ステップ3:シナリオとテストケースの定義
ステップ4:テストデータ(実データ)の準備
ステップ5:テストケースの実行と結果の記録
ステップ6:要求事項が満たされていることを確認する
まとめ
本記事ではソフトウェアテストとその重要性について解説しました。
NALの開発プロジェクトにおいても、これらのプロセスを踏んでしっかりとソフトウェアテストを行なっています。