ローコード開発(Low-Code)は、十分なスキルを持つ開発者が不足している企業がますます多くのシステム・アプリを作成するという需要が高まるにつれて、メインストリームとなりました。日本語では「高速開発」と呼ばれることもある「ローコード開発」は、いま世界的なトレンドとして急速な広がりを見せています。なぜローコード開発が主流となったのか、今後のローコード開発の動向、また、従来の開発手法との違いやメリット・デメリットなどを把握することができますので、ぜひ最後までご覧ください。
1.注目されているローコード開発の現在の市場規模
ローコード開発とは、可能なかぎりソースコードを書かずに、アプリケーションを迅速に開発する手法やその支援ツールのことです。GUIと呼ばれる視覚的な操作で、画面部品やロジック部品を組み合わせることよって、工程を省略または自動化します。
「2011年 ローコード開発プラットフォーム市場がスタート」でお伝えしたように、ローコード開発の市場は、拡大が予想されており、ほかにも米ガートナー社を始め、国内外の調査会社などがローコード/ノーコードの市場や導入状況について、拡大を予測しています。フォレスター・リサーチ(Forrester Research)によると、調査対象の 3,200 人の開発者のうち、 23% がローコード開発プラットフォームを採用し、22% がローコード プラットフォームを採用する予定があるということです。
図.ローコード/ノーコード開発市場規模推移および予測(2019~2025年度予測)
上を見ると、2021年度のローコード・ノーコード開発市場は約650億円規模に拡大しました。つまり、前年度に比べて大きく市場規模が拡大していることから、ローコード/ノーコード開発の注目度がさらに向上していることが伺えますね今後も成長が継続しています。
2.今後の市場規模の拡大予測:メインストリームへ
アイ・ティ・アール(ITR)では、2023年度には現在の約2倍である1,000億円を超え、2025年度には現在の約3倍である1,500億円を超える見通しとなっています。市場規模は1年ごとに20%〜40%前後ずつ成長していく見通しています。
一方、他にも海外の文献などを見てみると、SiliconANGLEでは、ノーコード/ローコード開発の市場規模自体が2026年まで毎年44%上がり続けるとの予測が出ています。
そして、Gartnerでは、2023年には2019年の市場規模の2.2倍である203億ドル(約2兆2000億円)に拡大すると予測されているなど、世界の市場規模も同様の上昇傾向が見られます。
出典:日本経済新聞
3.ローコード開発のメリット・デメリットとは?
これからの時代のニーズにぴたりと合致するローコード開発。その具体的なメリットとはどのようなものなのでしょうか。また事前に知っておくべきデメリットについても解説します。
3.1.メリット
◆ 開発生産性の向上
これまでに述べたように、ローコード開発には開発にかかる時間を短縮し、開発コストを削減するという大きな特長があります。システム開発にある、「長い期間が必要」というイメージを払拭するとともに、プログラマーの工数を減少させ、開発にかかる人件費を削減できます。こうした特長を生かして、開発生産性を大きく向上させられるのがローコード開発のメリットです。
◆ 人員の技術ハードルを下げる
システム構築のため、高い技術力を持ったエンジニアが必要だろう。しかし、ローコード開発では、ツールの機能を利用することで技術的ハードルが下がります。データベースの構築、HTMLの記述など従来必要だった技術を習得しなくてもシステム開発を行える場合があります。
◆ セキュリティ対策の負担を削減
ベンダーが用意したツールを活用するため、ローコード開発はゼロからシステムを構築するフルスクラッチ開発よりもセキュリティ対策の負担が軽くなります。一般的にはツール自体がセキュリティ対策を施されたかたちで提供されます。
◆ 品質の向上
プログラミングを行う部分が従来に比べて少ないので、必然的にミスが減少すると同時に、バグの修正にかかる時間やコストの軽減が期待できます。また、ローコード開発では、エンジニアが主体となって進めてきた従来の開発手法と違い、ユーザーみずからが主体となり開発を進めることも可能です。そのため業務要件との相違が起こりにくく、結果としてユーザーの目線に立った、品質の高い開発が行えるようになりま。
◆ 新しいIT技術の利用
ローコード開発は新しい技術を利用できるよう日々進化しています。新しい技術の導入によって機能の拡張や外部連携の幅が広がるため、使い勝手の向上、省人化が実現します。また、エンジニアの単純労働を減らし、高い付加価値を生む活動に専念させることができるでしょう。新しい技術を常に取り入れていく、という考え方そのものがメリットになるとも考えられます。
3.2.デメリット
◆ ツールによる制約
ローコード開発は、開発ツールが提供するパーツを使って実装するシステムであるため、開発者が用意したパーツのデザインや機能を拡張・変更することができないことがあります。システムに対して強い要望やこだわりを持っている場合、その要望に沿うことは難しく、イメージとは異なるシステムとなってしまう場合があります。
◆ ツールに関する知識が必要
技術的ハードルが低く、新しい言語を習得するより、比較的早くエンジニアの育成が可能です。一方で、ローコード開発の特性を生かし、品質の高いシステムを構築するには利用するツールの習熟が必要です。ローコード開発によるメリットを得るにはツールの特性を理解した上で使いこなさなければなりません。
4.まとめ
2022年のDevOpsの最大のトレンドは、開発者の時間とコストを削減するローコード開発は、早期にシステム・アプリケーション開発における重要な手法です。これからの時代、より多くのアプリケーション開発は、ビジュアル、モデル駆動開発、アプリケーションライフサイクル全体を改善するAI搭載ツール、クラウドネイティブプラットフォームを使用したローコード(そしてノーコード)を使用する開発者によって行われるようになるでしょう。ノーコードのソフトウェア開発により、アプリは数カ月や数年ではなく、数日または数週間で構築され、グローバル企業のデジタル変革の旅が加速されることになります。
ローコード開発が主流になっていくことは間違いないと言ってもよいでしょう。ローコード開発を導入すると「圧倒的なコスト削減」「業務効率化」「サービスの高速の改善」が可能になるので、当然の結果かもしれません。この機会にローコード開発の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
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