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技術領域

なぜ日本でベトナムITオフショア開発が主流となっているのでしょうか?

日本のIT人材不足は深刻

経済産業省によるIT人材不足の将来推計(2020年IT人材白書より)あらゆる企業のDX推進を背景に、IT人材は継続的に不足の見込み2030年では16万~79万人もの人材不足に陥ると予測されている。

  • IT人材の有効求人倍率は8~10倍
  • 転職応募者の大企業志向が顕著
  • 転職市場におけるIT人材の絶対的な量・質が不足
  • エンジニア不足により、企業の採用投資額が高騰
  • 働き方改革の影響もあり、人材の流動性が高く、

ベトナムオフショア開発を決定したら?

若く優秀なIT人材が豊富

総人口に占める生産年齢人口 (15歳~64歳の人口) が増え続け、経済成長が加速している(平均年齢30.9歳、IT従事者35万人)

勤勉で親日な国民性

ベトナム人は真面目で、向上心が強く勤勉であるという特徴があり、手先が器用で細やかな仕事にも粘り強く取り組む

日本語が話せる人材が豊富

JASSOが発表した平成30年度外国人留学生在籍状況調査結果によれば、ベトナム人留学生は中国に次いで第2位につけている

時差2時間の優れた地理的条件

ベトナムと日本の時差は2時間と少ないため、Webミーティングなどを比較的タイムリーに行うことができる

人件費の安さ

ベトナムの人件費は日本の1/2~1/3程度と言われている。日本人と同様のスキルを持った優秀なベトナムエンジニアを活用することで、人件費を抑えることができ、原価削減が見込める

マーケット開拓の足掛かりに繋がる

地理的な位置/環境面におけるベトナムの特長の一つは、ベトナムがマーケット開拓の足がかりにつながること

ベトナムIT人材のスキルレベル別人口動態

ベトナム人ITエンジニアの年代別の割合
  • スキルレベルでの比率を見てみると、若いジュニア世代が一番高い割合を占め、その次にミドルレベルが35%を占めている。これはベトナム開発の技術力が少しずつ上がっていることを示している。
  • このような年齢層とスキルレベル別の比率からわかることは、ベトナムのIT人材は豊富な人材だけでなく、スキルレベルも上がりつつあるということ。こうして発展し続けているので、ベトナムが人気あるオフショア先であることがわかる。

よく起きる問題

01. 仕様伝達・変更:ドキュメントの問題とも絡んでいる。 内容の薄いドキュメント を入力としてソフトウエア開発を行うのはリスクが大きい。 また間接文書が多すぎる。

02. 言語・コミュニケーション:日常会話レベルではなくビジネスレベルの外国語が話せなければ、細かいニュアンスが伝わらず、思ったようなシステムに仕上がらない可能性がある。

03. プロジェクト管理:スケジュールや人材、進捗管理という。オフショアサービスプロバイダーとそのチームに依存しなければならないため、コントロールはより困難である。

04. 技術力:技術面で日本にも負けないほどの知識とスキルをもつエンジニアは多い。しかしエンジニア全員がそうとは限らず、各エンジニアのレベルの事前の確認が難しいことは不安材料になる。

05. 異文化理解:プロジェクトを成功させるため、優越感を捨て、コミュニケーションを通して異文化に対する理解を深め、 仲間意識を育む姿勢が日本側に求められる。

06. 品質:UI/UX、コーディング、ドキュメントなどで小さいミスが結構多い。 例えば、コーティングに関して言うと、規約を守らない、自己流の記述をするとい うケースも少なくない。

ベトナムオフショア開発成功のコツ

  • オフショア開発の目的

– 中長期的な目的まで明確にする

– オフショア開発に不向きな要件

  • オフショア開発のコスト構造

– コスト情報は経済状況により大きく変動するので十分注意する

– オフショア開発でのコストは、大きく分けて、海外ソフトウエア会社へ支払う発注費と日本企業にて発生する管理費という2種類ある

  • 成功するためのプロジェクト内部要件

– 海外ソフトウエア会社:プロジェクト規模は10人程度、他チームと調整する必要が少ない独立性の高いソフトウエア開発、開発能力および品質に対する管理能力が優れているリーダーがいる、高いコミュニケーション能力がある

– 日本企業:窓口が技術的にもマネジメント的にも優秀である、海外ソフトウエア会社からの問い合わせに対する回答が速い

  • 海外ソフトウエア会社の探し方

日本でのプロジェクト実績、保有技術と技術者数、日本語への対応度、日本市場への対応体制、ISO9001・CMM・CMMI・シックスシグマなど品質向上への取り組み、開発手順書など標準類の整備状況

  • 契約時の注意点

役務範囲の記述、スケジュール、変更プロセス、追加作業、価格、成果物、責任の制限、予知外のビジネス変更、契約の終了、作業基準、機密性、その他(作業基準や作業手順の責任やなど)

  • ブリッジSE(あるいはPO)の考え方

日本語に堪能、日本企業の仕事の仕方を知っていて日本文化を理解していること、コミュニケーション能力があり交渉力に長けること、業務知識を持つこと、プロジェクト管理能力があること、その他

  • 日本側の準備

日本側窓口の設定、オフショア開発のルールの整備、海外ソフトウエア会社とのQ&A方法の決定、日常のコミュニケー ション方法、成果物の受け取り方法、開発設備のチェック

  • 通訳の考え方

お互いの理解内容を確認することで問題を減らすこと、通訳もパートナー・コツを覚えて付き合おうこと

  • プロジェクト・キックオフ

開発の目的と背景、スケジュール、指示系統、開発内容、開発方針、目標/基準値、開発ルール

  • 仕様伝達の仕方

ドキュメントを正確に分かりやすく記述すること、具体的かつ論理的に指示すること

  • 仕様変更の仕方

段階によってコストにも多大な影響を及ぼすこと、具体的かつ論理的に指示すること

  • 進捗管理

納期の長短にかかわらず、ソフ トウエア開発の基本に忠実に進捗のマネジメントをすることがオフショア開 発の成功への鍵

  • 品質管理

品質の定義と可視化、品質に関する技術指導、ソフトウエア・アーキテクチャー

  • リスク管理

PMBOKのリスク管理を適用すること、状況に応じてリスク事象をリストアップ、予備費は十分に確保すること、「EVM」を利用して精度を高めること

  • 異文化の壁を乗り越える

カレンダー、会食、名前の呼び方、オンサイト作業での注意

  • 検収時の対応

納品物は国内開発と変わらない、検収完了でオフショア開発プロジェクトが終了

  • 保守の対応

日本企業がすべて保守、海外ソフトウエア会社が継続して保守、海外ソフトウエア会社が日本でオンサイト保守

  • プロジェクト終結会議

今回のプロジェクトの目標/基準値に対する実績値の確認、開発中の問題点についての議論、次回へ向けてのアクションアイテムを整理すること、上記3項目を資料(議事録)としてまとめること

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