「BMGはどのような組織への導入に向いているか?」とよく尋 ねられますが、ビジネスに携わる誰もが使えるものです。大企業や教育機関はもちろん、個人商店、中小企業 、非営利団体やおおよそビジネスとは無縁と思われる組織であっても、その活動 や事業をより良いものへと変革したいという意図さえあれば、成果 を上げることができます。
企業内では、経営企画、事業開発、戦略人事、研究開発、マーケ ティングプラニング部門などから導入するケースが多いようです。 これから立ち上げようとする事業の場合は、どのようなモデルが 適正なのかを見つける、本格的に立ち上げる前にモデルをテストす るなどの目的でBMGを利用することもあるでしょう。既存の事業 の場合は、新旧のモデルを連携させたり、現状の課題を浮き彫りに して危機を脱したりするために用いることになるかもしれません。
プロジェクトや企業・組織への導入とその準備
ビジネスでも求められている柔軟性とスピード
最近、ソフトウェアの開発においては、従来のウォーターフォール型からアジャイル型へと注目が移っています。ウォーターフォール型では、前工程に逆戻りしないように各工程の完了際に綿密な チェックを行います。 一方、アジャイル型は、 最初に想定した機能 を全部盛り込まずに、 まずは動くソフトウェアを作って早めに検証 を行うため、柔軟性が高く、変化に対応しやすいことが特徴です。ビジネスの世界でも同様の考え方がトレンドになっています。
BMGの目的はキャンバスを作り上げることではなく、あくまでもイノベーションを起こすためのアイデアをデザインし、実行に結び ビジネスの現状を打破すること、そして、新規ビジネスの検証など 付けることです。そのため、繰り返しキャンパスに戻り、修正や方 向転換をしながら現状の最適なモデルを選択していきます。
デザインと検証の繰り返しで打つ手が拡がる
ビジネスモデルは、デザイン→プロトタイプ→実行・検証を継続 的に行っていきます。実行や検証のフェーズでは、思うような結果 が得られないこともあるかもしれません。ビジネス環境の変化に伴っ て見直しのためのプロトタイプをいくつか試してみたり、違う視点 のモデルを検証してみるなど、現場に即したアプローチを継続的に 行うことで良い結果に結び付けることができるようになってきます。 これからの時代は、職種や役職に関係なく、ビジネスを自分でデ ザインしていくという感覚を身につけることが求められてきます。こうした訓練をしている人と考えたこともない人とでは、大きな差があるのです。
いくつもの課題と可能性を想定しておくことと、実際にビジネス が暗礁に乗り上げてから慌てて対策するのとでは、雲泥の差が生じ ます。いかに多くの打つ手を持っているかが、勝負の分かれ道なのです。そのため、組織にBMGを導入するにあたり、デザインと検証 を繰り返すという考え方を共有しておくことが最も重要となります。
組織やビジネスを変革するためにBMGを導入する
多くの方は、 「昨日までと同じでは、これから何も変わらない」、「現 状のままの会社に対して危機感がある」、「少しでも自分たちが変わるヒントを得られれば」と思って、本書を手に取ってくださってい るのではないでしょうか?BMGのメソッドに共感した方は、自分たちのビジネスに活用で きないかとお考えではないかと思います。変革を推進するのは、もちろん容易ではありません。そのための準備も心構えも必要です。
BMG 導入の目的はさまざま
企業や組織がBMGを導入する目的は、いろいろ考えられます。 BMGのメソッドが有効だと思っても、簡単に導入できないという ご相談をいただくことがあります。大きな企業に帰属している場合 は、上司やメンバーに導入のメリットを説明しなければなりません。また、比較的自由度の高い組織の方でも一緒に活用するメンバーが その効果を評価してくれないと活用が進みません。
ここ数年、BMGのメソッドに対する認知度も向上し、多くの企 業が様々なシーンでBMGおよびキャンパスの活用を進めていま す。導入を行っている企業がどのようなケースでどのような効果を 期待して活用しているかいくつか例を挙げてみましょう。もし、次のリストに自分達の解決すべき課題に近いものがあれば 皆さんも導入を検討してみてはいかがでしょか。
- 既存のビジネスはすでに軌道に乗っているが、大きな顧客に極 端に依存したビジネスである。そのため、先行き不透明であり、新たな市場に向けたビジネスを今のうちに立ち上げておきたい。
- 市場競争が激化し、競合の新商品の投入スピードがどんどん速 くなっており、自社の商品開発とそのビジネスモデルの構築ス ピードの迅速化が喫緊の課題である。
- 受動的な営業スタイル、受動的な業務スタイルの社員が多く、もっと能動的で自らのアクションを変えていける人材を育成したい。
- 営業部門で、今までの提案のスタイルが通用しなくなっている ので、提案先のビジネスモデルをメンバーに把握させた上で、より競争力の高い提案力を身につけたい。
- 研究 & 開発部門の業務において、事業開発部門などと合同で、5年後、10年後の自社の新規ビジネスを検討している。
- システムエンジニアを多数抱えており、顧客の御用聞きや受け のプリセールスから脱却し、顧客のビジネスを理解し、高い提 案力を持った人材を育成したい。
- サポートや資金を得るために、 アイデアやプランを「売り込む」ためのプレゼンで、プレゼンを補強する強力な可視化ツールが 必要だ。
- 経営企画部門として、現状のビジネスモデルにおける急務は何 か、どのように実現可能かを論理武装して社内に伝えたい。
- 新規事業開発を実行する立場にあり、そのチームマネジメント、 戦略策定、プロセスを効果的に進めたい。
- マネジメント研修に、新規事業創造や、人材の配置転換のため のトレーニングを実施する必要がある。
- 組織の目標を理解し、共有する意識づけを行うことで離職率の高さを改善したい。
- スタートアップのベンチャー企業において、企業のトップだけ が頭の中で理解しているビジネスモデルを組織全体で共有・理 解するためのフレームワークが必要だ。
- 資金調達などに必要な自社のビジネスモデルの紹介を的確に行うための可視化ツールが欲しい。
BMGを現場へ導入する
BMGを変革のためのひとつのツールとして導入を考えている場 合、いくつかの懸念が頭をよぎるのではないでしょうか? たとえ ば、「社内変革のプロジェクトの多くは失敗するものだ」、「ほとんどが一過性であとはうやむやになってしまう」などです。変革に限ったことではありませんが、プロジェクトの失敗の大半 は、立ち上げに問題がある場合がほとんどです。極端に言うと、プ ロジェクトの成功の9割は最初の立ち上げに依存すると行っても過 言ではありません。つまり途中でビジョンや目的がぶれてしまって は、何の成果も上げられないということです。そこで、自分たちの ビジネスモデルがどのような業務を実現しどのようなゴールを目指 しているのかについて将来像を明確に共有することが最も重要なのです。
日本の組織で行うボトムアップの変革とは?
BMGを社内に導入しようと思っているあなたが、 経営者であれ ば大きな問題はありません。トップダウンでぜひ、導入を積極的に 進めていただきたいと願います。
しかし、“このままではいけない” と思っている多くの方は、組織の管理職や一般のミドル層の社員です。海外の企業では、トップ が変革をリードすることが多いことはよく知られています。 そのた め、管理職のモチベーションを向上させ、変革スピードを上げたいといったトップ目線の施策としてBMGを活用することが多くなっています。一方、日本では、革に関するプロジェクトを推 進するために、いかにトップに理解してもらい、 味方になってもら うかが大きな障壁となっています。 実際に、筆者は日本国内で BMGに関する講演やワークショップ、企業研修を100回以上行っ てきました。しかしその実態は、企業経営者自らが推進してくれた 組織はほんの一握りで、ほとんどがミドル層や部門長の方、 事業部 付の教育や研修を検討する部署が推進しています。そこで、経営トップでなくても大きな成果が得られるよう、周到 に準備を進めましょう。
変革に求められる4つのポイント
組織で変革を進める際には、重要なポイントが4つあります。そ れをご紹介していきます。
- 明確な目的を共有:新規ビジネスにおいても、プロジェクトにおいても必ず目指すべ ゴールがあります。 しかし、ゴールに到着することが目的なのか、 それとも一番早くゴールすることが目的なのか、本当の目的が見え にくいプロジェクトもたくさんあります。 たとえば、ビジネスにお いては、たくさん売ることが目的のように思いますが、 実は収益率 を上げることを優先するビジネスもあれば、 薄利でもシェアを伸ば すことが優先されるビジネスもあり、 それぞれ目的は異なります。 また、ビジネスの段階によっても異なります。 つまり、目的を明確 にして共有することが必須なのです。
- 進め方をオープンにする:ビジネスやプロジェクトを進める中でこれからどのようなプロセ スをたどるのか、 また目的を実現するための施策をどのように実行 していくのかをオープンにして、共有していくことが重要です。 進 める上での時間的な制約などもあらかじめ、 共有しておくことで向 かうべき方向にメンバーの意識を集中させることができます。
- メンバーを決める:新しいことに取り組む、変革を進めるときに最も苦慮するのはそ のメンバーの選定です。誰と一緒に進めるのか、外部の専門家にもサポートを頼むのか、成功のために必要なメンバーの選定はプロジェクトの成功の大きなカギです。
- 最適なツールを利用する:ビジネスの理解や分析に必要なツールだけでなく、目的を実行す るための環境を整備する情報システムやネットワーク、人のリレー ションまで、使えるリソースを棚卸しておくことをお勧めします。また、メンバーが最新のメソッドやツールを使いこなせるようにし ておく必要があるのは言うまでもありません。
BMG導入プロジェクトを立ち上げる
では、実際に BMGを社内に導入した企業を例に、プロジェクト の立ち上げから進め方までを見ていきましょう。
POSレジを主力商品に持つA社のケース
A社は長年にわたって、様々な製品を開発・販売してきた老舗メーカーです。その中の一事業部で扱っている主力製品がPOSレジと 呼ばれる、スーパーやコンビニなどで使われているPOSシステム 搭載電子レジスターになります。POSとは、商品を買う際に通すレジの中にあるシステムのことですので、詳しく知らない人にとっても、実は身近なものです。 POSはどんな商品が、いつ、どこで、いくらで、何個売れたかというデータを記録します。商品の売れ行 き、在庫数などを簡単に管理できる画期的なシステムで、70年代 アメリカで誕生し、日本でも80年代に普及が急速に進みました。見た目には、大きな変化が見えにくい業界ではありますが、まさに割拠の市場で競争の激しい業界のひとつです。A社も例外ではなく、厳しい市場競争にさらされ、事業部における売り上げの向上は毎回会議の議題に上がる懸案となっていました。
市場の変化をきっかけにプロジェクトを立ち上げ
A社のPOS事業部に所属する三上氏 (仮名) は、起死回生の新たなソリューションを生み出したいと考えていました。ちょうど時を同じくして、市場に大きな変化が起こり始めました。もともといくつかの大企業による寡占状態にあったPOSレジの市 場が、スマートフォン、タブレットの普及と共に変化を迎えようと していたのです。そのひとつがモバイルPOS です。これは iPad やAndroidタブレットなどを利用したPOSです。 三上氏もいち早 くこの市場へのソリューションを提供したいと思っていましたが、 社内からはモバイルPOS の開発が進んでいるという情報がなかな か得られず、不満と不安を感じていました。そこで、三上氏は、以前から関心を持っていたBMGのメソッドを社内で活用し、ソリューションの提供を推進するプロジェクトを 立ち上げようと考えました。こうした体制づくりとソリューション開発のための準備は並行して進めることが求められます。また、どうしても時間のかかる要件があれば、明確にしておきつつも、割り切って後回しにしてしまいます。それにとらわれすぎないように進めていくこともプロジェクト推進の負荷を軽減するコツとなります。
まずは社内の同志を集めることが最優先
三上氏は、ひとまずこのプロジェクトを社内で一緒に推進してくれる同志を口説きながら集めました。プロジェクトでの最初の人選は、プロジェクトの成否を左右する 重要なものです。 メンバーを集めるポイントがいくつかありますのでご紹介します。
- 組織図に頼り過ぎない:「サポート部からひとりは必要だよね」などと、 組織図に合わせて人選することがよくあります。しかし、実際には部署にこだわる とその部署の利害を代表する位置づけで議論が進んでしまうため、プロジェクト立ち上げには向いていません。部の意見ではなく全体 最適の立場で一緒に考えてくれる人を選びます。
- プロジェクトに向く人を迎えよう:「関連性の高い部署から来ているがプロジェクト型の作業に向か ない人」と「プロジェクトと直接関係がないけれど向いている人」 とでは、後者を選択したほうがうまくいくケースが多くあります。改革に意欲的な人や、役職やポストにかかわらず意見が言える人、その人の立場で正しく反論を言える人なども非常に重要です。もち ろん、組織における課題意識を共有し、最終的な目的意識を共有で きるかを観点に選ぶことは言うまでもありません。
- 時には、トップダウンや一本釣りで:場合によっては、自分が目を付けていた人を個別に説得して一本 釣りすることも必要です。 その場合は、相手の上司を説得する必要 もありますので、自分や相手の上司に理解を得られるよう、場合に よってはさらに上を説得する方策なども検討しておくと良いと思い ます。もちろん、そのために上層部をメンバーにしてしまうという 考え方もあります。
- 抵抗勢力に対する対策:新しいことを始めようとすると、抵抗勢力からの妨害があるのでは? と考えていませんか。確かに変革プロジェクトを進めている と、いろいろな課題が生じます。そうした事象に対し、同じ意見の メンバーだけで向かっていっては突破力が乏しくなることもありま す。良いチームには、必ずと言っていいほど異なる思考や異なる役 割を果たすメンバーが混在しています。突破と調整、緻密と俯瞰な ど、相反する力を発揮することが必要になります。もし、反対しそうな組織や人が想定できる場合には、そうしたメ ンバーをあらかじめ、メンバーに入れてしまうことも検討しましょ う。 決まってから知らされるより、はじめから議論に加わっていれ ば、スムーズにいくことが多いと思います。しかし、プロジェクト推進の妨げになると判断した場合には、プロジェクト内の結束に利 用する対抗勢力として、真っ向から戦う態勢をつくるかなどの対策 を考えておきましょう。
ワークショップやグループディスカッションの重要性
様々な意見を出し合うワークショップを実施する
早速、三上氏も社内でワークショップを実施することにしました。プロジェクトメンバーを中心に、参加希望者を社内から募ったこ とで20名強がワークショップに参加することになりました。 実務でイノベーションを期待する場合、 起案部門やプロジェクト のコアメンバーだけでなく、多様なメンバーによって行ったほうが 良いアイデアや新たな視点からの気づきが生まれます。ビジネスモデルの新しい構築ブロックや、 構築ブロックの新しい 組み合わせを探し出すことが必要です。 当然、 チャネル、収入の流 れ、 主なリソースといったキャンバスの9つの構築ブロックすべて に関わります。 そのため、 様々な分野からのインプットとアイデアが必要になります。場合によっては、外部の方をディスカッションメンバーに加えた りすることもあります。 様々なメンバーが参加するワークショップ や、重要なミーティングにおいては、参加者が人の話を積極的に聞 くようにうまく話を広げたり、進行管理を行ったりするために、中 立的なファシリテーターが参加することも必要になります。
また、自分の頭だけで、ビジネスモデルを分析したり組み立てた りするよりも、体を動かして、書きながら様々な意見を出し合うこ とで、多くの気づきが得られることがよくありますので、 ワーク ショップを最大限に活用していきます。
アイデアを実現可能なモデルに集約
最終的には、現場でそのモデルが実際に有効なのか検証していく ことが必要です。そのため、様々なアイデアを検討したうえで、実 現可能なモデルに集約していきます。 その際、キャンバスで作成したモデルが現実的でないこともあるかもしれません。その場合は、業務に精通しているメンバーの意見をもらいながら、軌道修正していきます。最初から限定した可能性だけに固執するのではなく、 なぜそのモ デルの実現が難しいのかも含めて、 多くの可能性にたどり着けるか どうかが大きな壁を破るきっかけになるということを忘れないでく ださい。
ワークショップを盛り上げるテクニック
BMGのワークショップの効果を最大限にするためのテクニックを本節と次節にわたってご紹介します。 まず、ワークショップを進行させるファシリテーターは、なるべ
意見を否定しないように配慮し、いったんは、参加者の意見を吐 き出させることに注力します。しかし、同時に議論を発散させない ような配慮は必要です。 そのためにキャンパスなどのツールを中心 に、なるべく文字や図形に残していきます。これを「グラフィック・ ファシリテーション」と言います。 キャンバスは紙さえあればどこでも描くことができますが、ワークショップではできるだけ大きな 紙を用意し、ホワイトボードなども使いながら進めていきましょう。
必要な道具の一例:
・ホワイトボード
・模造紙 (フリップチャート)
・ホワイトボードマーカー
・付箋紙数色(大・中・小)
・太めのフェルトペン
・コピー用紙
・テーブ
付箋紙によって各要素を可視化
キャンパスはなるべくフリーハンドで描いていくことをお勧めし ています。ブロックの各要素は付箋紙を使って描いていきますが、 このとき簡単なガイドラインがありますので(次ページ参照)、覚え ておくと、キャンバスの修正や議論が進めやすくなります。
図やイラストを活用して理解を促進
図やイラストは、キャンバスを作成するためのディスカッションやビジネスの流れを理解する過程で、たいへん有効です。いろいろなアイデアを出し合う段階では、より柔軟で視覚的な思考が求められますので図版を多用するのはとても良い方法です。特定のフォーマットにこだわることなく、参加メンバーが分かりやすくなるように図で説明しても構いません。また、ビジネスプロセス や相互の関係をフローチャートのような図で整理することもありま す。アイデアをまとめる場合も、発想の過程自体を図やマインドマッ プのような可視化ツールで描いておくのもいいかもしれません。キャンバスのブロックの要素がどのように相互に関係しているかを確認する場合など、図やイラストで描いてみてから、箇条書きに まとめていけばより簡潔に分かりやすくまとめることができます。また、付箋紙に記述していく要素を文字ではなく象徴的なイラストなどで表現しても構いません。
▶︎NALの営業部のカンバン
- 付箋への書き出し:付箋紙に要素を書くときのガイドラインは次の通りです。
① 太めのフェルトペンを使う: 情報を詰め込みすぎることがなくなります。
② 1枚の付箋紙にはひとつの要素を書く:大きめの付箋紙を使うと、後から変更や追加 がしやすくなります。
③ 箇条書きで記述する:誰が見ても分かりやすくなります。
④ 追加した要素、変更した要素には違う色の付箋紙を使う: キャンバスを俯瞰したときに 視覚的に分かりやすくなります。
写真を活用してキャンバスを保存する
最近では、会議で議論されたホワイトボードなどを写真で記録し て、再利用することが多くなっています。 BMGでも画像やフリー ハンドでのグループワークが多いため、いろいろ場面で写真が役に立ちます。議論を進める過程やワークショップの開催中など様々なシチュエーションで写真が活用できますので、カメラを常備しておくことをお勧めします。
途中経過のキャンバスもしっかり記録
キャンバスは、最終形だけでなく議論の過程も非常に重要です。あとで、その過程を振り返ることができるように途中経過のキャンバスもきちんと記録しておきましょう。
キャンバスをデジタル化して利用するためのツールなどもありま すが、ディスカッションの過程が一目瞭然になる手書きのキャンパスは、あとから振り返る場合にも非常に役立ちます。 そこで、写真 などでキャンバスを記録し、それを保管しておきます。記録用にはデジカメやスマホでの撮影が一般的ですが、インスタントカメラも有効です。その場で参加メンバーにプリントして渡し たり、ビジュアルアイコンとしてキャンバスに貼り付けたり、メン バーの自己紹介用に名前と共に貼っておくなどいろいろな場面で活 躍します。
次に、写真の活用ケースをご紹介しますので、参考にしてください。
- 議論するビジネスに関係する写真で共通理解を深める
- 象徴的な画像をアイコンとして貼り付けることでイメージがわきやすくなる
- 参加メンバー同士の自己紹介のために写真を使う
- 議論を進める過程で画像やフリーハンドの図を記録する
- キャンパスを記録する
- ワークショップなどの開催レポートのために記録する
アイデアは質より量を重視
良いアイデアは、そうそう簡単には生まれないと思っているかも しれません。しかし、プレーンストーミングの手法で“下手な鉄砲 も数打てば当たる”と考え、アイデアをたくさん生み出すのが、良いアイデアを作る一番簡単な方法です。失敗してもいいから、とりあえず弾を打ち続けましょう。そのためにも自分ひとりだけで考えるのではなく、なるべく何人かでたくさんの意見を出し合う雰囲気づくりから始めてみましょ う。いろいろな意見が出る過程で、 自分が思いつかなかった考え方や 気づきが得られるだけでも大きな収穫です。出てきた意見をすることはやめて、まずは聞くことに集中しましょう。
議論の前の雰囲気づくりも大事なテクニック
ファシリテーターは、参加メンバーから出た意見が否定されない ように、配慮しながら進行していきましょう。 出てきた意見をいきなり否定する流れを作ってしまうと、行き詰まってしまいます。もし、堅苦しい空気になりがちなメンバーに偏った場合は、いつ もとは違うメンバーに入ってもらったり、リラックスできる音楽を かけたりして雰囲気を変える試みを行います。 著者がワークショッ プを行う場合は、BGMを用意したり気分転換のための甘いものを 用意したりします。ヒントになりそうな意見を提示しながら、ほかの意見が出るのを 促し、考えたことを自由に言い合える雰囲気を演出していきましょう。環境づくりも良いキャンバスを作成するための大切な条件だということを覚えておいてください。
完成したキャンバスを元にプロトタイプで小さく検証してみる
市場の動向から次の手を窺う
モバイルPOS市場が、注目を集めている最大の理由は、初期投 資や運用コストの安さにあります。 一般的なPOSシステムの場合、 レジ端末が10万円以上したり、販売情報集計システム導入の初期 費用が100万円を超えたりします。 一方、モバイルPOS は、安価 なタブレットを利用するため初期費用が抑えられ、運用コストも、 クラウドサービスとの連携によって月額数千円から利用できるため 中小店舗でも手軽に使えます。しかし、参入企業も多く競争が激し さを増していることから、早急にプロトタイプを立ち上げ、顧客ニー ズを吸い上げることが必要でした。
プロトタイプの検証は不可欠のアプローチ
そこで、クラウドサービスと連携させたサービスの一部メニュー を早急に開発し、既存ユーザのいくつかに試用期間を設けて使って もらうことにしました。 全メニューの開発を待っていると、顧客か らのフィードバックを得るタイミングが2か月遅れることから、プロトタイプである現バージョンでのモニター調査を行うことにしま した。 また、タブレット端末とスマートフォンの両方を対象端末にするとさらにサービスの開発に時間がかかるため、タブレット端末 向けのサービスを優先して開発することで、 早期の段階での検証を 迅速に行うことに成功しました。
こうしたプロトタイプでの検証は、早期のビジネスモデル検証に おいて不可欠のアプローチです。社内で大きな予算を獲得するため には、必ず売り上げ予想などが要求されます。 通常は、こうした数 字は計画と予測に基づくものです。しかし、BMG では、小さな実 績と検証に基づいて数字の算出精度を上げていくことが可能です。また、商品やサービスに関する顧客からのフィードバックは、モニターから使用後の感想を集めたり、グループインタビューを行ったりすればコストもマンパワーも最小限で行うことができます。
上層部に味方を作る
プロトタイプの検証フェーズに入るころには、新ビジネスが社内 的にもオープンになり、関係者も増加していきます。また、ビジネ スモデルの洗練度が上がれば、今後の展開の拡大も視野に入れて検 討することが求められます。そこで、プロジェクトの活動状況や、会社へのメリットの大きさを理解してもらい、味方になってもらえ る上層部とのネゴシエーションを行うことも重要です。企業にとって、プロジェクトの価値が大きいことをアピールし、プロジェクトを評価してもらう環境づくりも、 自分を含むメンバーのモチベーションを維持するために重要です。
顧客からの反応を元にビジネスモデルを改善する
検証フェーズで得られた顧客からの反応や要望は、すぐさまプロ ジェクトメンバーに共有します。ビジネスモデルとして課題要素が あれば、それを修正するためにキャンパスを改善しながら、 施策の 変更も合わせて行います。ターゲティングした顧客セグメントが想 定したものと合っているか、またその顧客が求める価値提案が、自 分たちで想定していたものと合致しているかといった点に注目してレビューしていきましょう。最終的には収入がコストを上回り、収 益が得られることが検証できれば、さらにプロジェクトの規模を拡 大しながら、ビジネスを成長させていくことができます。今回、顧 客 (POSを利用したい店舗) は、次のような課題意識を持っているこ とがわかりました。
- 大規模チェーン店のように販売分析したいが、 POS導入は費用がかかる
- 最近、 電子マネーでの支払いを希望するお客様が増えたので、お 店でも対応したい
- 今使っているレジからモバイルPOS に乗り換えたいが、タブレット端末を使ったことがないので設置や設定が難しそう
顧客の反応をプロジェクトに反映
- クラウドサービス:クラウドサービスのため導入から 運用までを低コストで実現しま す。また、いつどこからでも複数 この店舗の売り上げ状況をリアルタ イムでチェックできます。
- 多様な決済手段:現金やクレジットだけでなく、国 内主要電子マネー決済にも対応し ています。
- 予約管理システムとの連携:オンライン予約システムと連携さ せることができ、 予約状況も POS 端末からリアルタイムで確認でき ます。
- 充実のサポートサービス:導入サポートからアフターサポー トまで充実したメニューをご用意 しております。 設置や設定に不安 があるオーナー様でも全く問題あ りません。
改善したキャンバスをもとに新規の予算を獲得し、体制も強化す ることができ、三上氏はこれから本格的なサービスを立ち上げようとしています。 実際には、市場にサービスをリリースした後も、さ らにビジネスモデルの検証と改編を継続して行っていくことになり ます。
BMG研修導入事例① 個々のキャンパスを定期的な評価でフォロー
事業目標の達成のキーは、人材の底上げ
2000年に設立されてから、15期目を迎える映像配信ソリュー ションベンダーであるメディアサイトでは事業規模拡大にあわせ、 社員を増員し新卒採用 中途社員、古参社員と様々なバックグラ ウンドや経験の社員が混在する組織となる中、事業目標を達成する ためにより一層のコミュニケーションの向上、共通認識の醸成が急 務と考えられました。 執行役員営業部長である南氏は、集合研修を 取り入れることを契機に、風通しがよく、社員が自発的に行動でき るカルチャーを根付かせるためのツールとしてBMGの研修の導入 を決定しました。
全員参加のBMG 研修
BMG 研修は、 営業や技術部門の組織の枠を超え、全社一丸となっ てビジネスに取り組むための共通言語を身につけ、ビジネス環境に 対する共通認識をはぐくみ、実ビジネスを円滑に実践するためのス キルを身につけるのに役立ちました。
ワークショップスタイルの研修は、一方的な講義スタイルのもの と違い、ビジネスモデルをデザインする過程を営業も技術も一緒になって多様な視点から自社の優位性を分析し、検証することができ ます。 研修を経て、これからの新たなビジネスモデルを創っていかなければならないことを認識し、継続的に活用していくことの重要 性にも気づいた点で大きな成果を上げることができました。しかし、研修を企画する教育担当の大木氏と起案者である南氏は、 キャンバスの作成を、ワークショップにとどまらず、継続的に個々 の社員に行ってもらうことができないと大きな効果を上げられない のではないかと懸念していました。この考えは、半年後の2回目の研修で顕著になりました。 という のも2回目以降からは、個々のモチベーションによって理解度に大 きな差が生じてきたからです。
BMY も導入することで個人の課題も明確に
組織におけるイノベーションの機運を醸成しようと考えるとどう しても、組織を構成するひとりひとりのイノベーションにも目を向 ける必要があります。 組織のビジネスモデルの成功は、それを成し 遂げるための人材が大きな影響を持っていることは言うまでもあり ません。 そのため、組織のゴールと個々のゴールへのベクトルが合っ ていることが望ましいわけです。
様々なレベルで存在するキャンバス
最初に説明した通り、BMGでは組織には必ずビジネスモデルが 存在すると考えます。つまりキャンパスは、会社全体、事業部、部グループ、個人など様々なレベルで存在しています。そこで、ビジネスモデルデザインも組織から個人までシームレス に連携させることで、組織の目的を自分のこととして理解してもら うが有効なのです。冒頭の導入事例でもご紹介したメディアサイトでは、こうした考 えに基づき、2年以上にわたりBMGを導入するうえで、BMYも活用しながら個人の目標管理に役立てています。
BMG 研修導入事例② 自社ソリューションで継続トラッキングが可能に
BMYは、自分をビジネスモデルとして、客観的な視点も交えて デザインしていきます。 そして、自身の今後のCDP (Career Development Program)を考える一環としてキャンパスを改善します。 当初、メディアサイトでは自分でキャンパスを補完し、見直しを 行いながらキャンバスを書き換えるという自主性に任せていまし た。しかし、せっかくキャンバスをデザインしても、レビューする 機会が少ないとどうしてもうまく活用しきれない社員も出てきてし まいます。また、南氏は、部下のキャンバスの変化や取り組みに関 して継続的にフォローしたいと思っていましたが、キャンパスの改 善点を発表で共有するなどの方法では、物理的・時間的にも負荷が かかってしまうことが課題と感じていました。
個々のキャンバスは画像でアップロード
昨今、様々な教育現場でも反転教育の重要性が高まっています。まず基本の研修を受講した社員に対し、 講師やファシリテーターの 概要説明をいつでも映像として確認できるようにコンテンツ化しま した。復習したい場合は、いつでも気軽に視聴できる環境を用意し ました。 ここまでは、従来のeラーニングの手法と変わりません。 しかし、これに加え、 社員からの反応や正しい評価をフィードバッ
クするためにメディアサイトのソリューションの新機能 “デスク トップレコーディング” を使って、自分自身のキャンバスの説明プ レゼンテーションを映像コンテンツとして録画することを義務付け ました。 自分のアカウントをサーバ上に作成するだけで、自分だけ の領域にコンテンツをアップロードすることができます。これに よって、 講師や管理者以外からは見られることがないので、安心し て自分のキャンバスをアップすることができます。
講師や直属の上司は、個々のキャンバスに関するコンテンツや質 間に適切なアドバイスや評価をメールで送信することができます。 メールを受け取った社員は、修正したキャンバスをもとに再度プレ ゼンテーションとしてコンテンツ化し、アップロードを繰り返すと いう仕組みです。
研修効果の可視化させスキルアップを実感
このシステムを利用することで、講師や上司は時間や場所の制約 を受けずにアドバイスしたり、モチベーションの向上を支援したりす ることが可能になります。 プレゼンテーションの録画はデスクのPC でもスマートフォンからでもカメラがあればどこでもできるため、社 貝もちょっとした時間やスペースを活用してキャンバスが次第にブ ラッシュアップされていることを実感しながら、キャリアのリ・デザ インを実践できるようになります。こうした仕組みは、研修成果の可視化により、現場でのスキルアップを実感し実務に生かせると好評を博しています。
ナレッジマネジメントへの活用も
教育担当者は、研修成果やキャンパスの履歴をデータとして蓄積 することでナレッジマネジメントとしての活用も期待できると考え ています。今後はこうした蓄積されたデータを基に 後の改善点なども分析できるのではないかと期待しています。 氏は、教育は対面で行うのが最も効果的だと思っていますが、 フォローアップやトラッキングの仕組みと連携することで、負担を 軽減しながら継続的な成果を上げられるのではないかと考えています。
イノベーション人材育成のためのワークショップ
ビジネスモデルデザインを主とするスキルアップ研修では、BMGのメソッドをより広く現場で活用するために重要なエバンジェリストやムードメーカーの育成を目的に行うことが多く、 より現場のビジネスを意識したテーマの議論が求められます。管理職などシニアスタッフ向けの研修でも同様に、対象者のすべてが経営者視点を持ってビジネスに取り組むことを目指します。実際にビジネスの拡大や新規事業開発などのミッションを持っているメンバーを対象にする場合も多いですが、なるべく事業に関わ る広い部署からキャンバスを描くためのメンバーを選出したほうが 効果的です。
現状への不満や否定が出そうなときは
数多くの企業研修でファシリテーションしている筆者の経験で はいきなり現状のビジネスを意識したテーマを取り上げると、 キャ ンバスの慣熟やメソッドの理解より、現場の課題や組織の不満など、ビジネスモデルとは違う問題意識にフォーカスされてしまうことも あります。そこで、はじめて行うワークショップなどでは、自由に ディスカッションできるサンプルテーマなどで練習してから、徐々により現実的な課題を対象に検証していくようなプログラム構成をお勧めしています。
ワークショップにおいてキャンバスを描くためのグループセッ ションに参加するメンバーは、必ずしも対象となるビジネスに精通していなくても構いませんが、最終的にはビジネスの市場環境や現 状の流通ルートなどを熟知しているメンバーを加えたブラッシュ アップが必要となります。ネガティブな体質を持っている組織の場 合は、部署や業務のバックグラウンドなどがばらばらなメンバーを 参加させ、思い込みやしがらみにとらわれない新たな見解や気づき が得られることを重視することも必要です。
BMGを日常の業務ツールとして浸透させる
研修実施後は、グループでのワークショップの開催、フォローアップとしてのビジネスモデルの見直し、現場からのフィードバックな ど継続的に集まる機会を多くして、自主的に現場で運用してもらえ るまでモニターすることも重要です。そのため、定期的に外部ファシリテーターを迎えたワークショップを開催している企業もあります。これによって、定期的に情報を アップデートしたり、時間が経過した中で出てくるより深い疑問を 解決したりする機会を増やすことができます。理想的には、エバンジェリストやムードメーカーになるようなメ ンバーのトライアル研修を行い、その後管理職や中堅層などに対す る研修として、より幅広い層に普及させるためのワークショップを 数回行いながら、より多くの組織メンバーがキャンバスを使いこな せるようになる環境を提供することで、最終的にはBMGが通常の 業務ツールとして自然と浸透するようになります。
全社研修や事業部研修でワークショップを開催する
全社的または事業部単位で新規のビジネスに取り組む際には、当該ビジネスに関する共通認識と目標に向かう個々のモチベーションの向上が必須となります。そのため、組織のビジネスモデルデザインだけではなく、個人のキャリアのリデザインも含めたシームレスな研修により大きな効果が期待できます。その場合、組織のビジネスモデルデザインのメソッドである BMGと個人のキャリアをデザインするBMYの両方を同時に行う研修をお勧めします。
2つの研修を同時に行うメリット
研修の1日目をBMGワークショップ 2日目をBMY ワーク ショップとして2日連続で開催する場合、前日の疑問点を翌日に質 問して解決できるため、 忘却することなくメソッドの習得とビジネ スモデルデザインに集中して取り組むことができます。
一方、BMGワークショップの翌週、または2週後にBMYのワークショップを開催する場合、BMGのメソッドを自身の課題テーマ にあわせていくつか試作することが可能になります。 そのため、ヒアリングなどにより、より具体的な検証に必要な情報を調査でき、一層詳細な状況の把握や検証ステップを試せるようになります。ま また、具体的な疑問点は講師やファシリテーターと共有することで、より理解を深めることができます。 しかし、参加メンバーのモチベー ションによっては、時間が経ったことで、前回の内容を忘れていることもあり、途切れた集中を取り戻すためにファシリテーターの工夫などが必要になることもあります。どのような日程で研修を開催するかは、もちろん期待する効果に もよりますが、研修の満足度を向上させるためには参加メンバーに とって無理のないスケジュールを組むように配慮しなければなりません。
BMGはグループワーク、 BMYはペアワークが基本
BMGでは1グループ4~5人程度のグループワークが基本のス タイルですが、BMYでは2人で行うペアワークが基本になります。 筆者が講師を行う場合は、ペアの相手は参加者自ら、自主的にペア 相手を見つけてもらうようにしています。参加者が偶数でない場合 は、3人のチームで進めるか、予備のスタッフをあらかじめ準備しておくとスムーズに進行できます。
壁面に個々のキャンバスを貼るスペースが必要ですが、全員のス ペースがとりにくい場合もありますので、キャンバスを描く用紙を 少しだけ小さくするなど、適宜調整して実施しましょう。ワークショップの会場やスペースの確保も、実施概要やそれぞれのワーク内容にあわせて、あらかじめ準備しておくことも必要です。
新人、若手社員向け研修としてBMGのワークショップを開催する
新人や若手社員、あるいは中途採用の社員に自社のビジネスモデ ルをより深いレベルで理解させ、即戦力となる人材を育成するため の研修でも、キャンバスをツールとして取り入れたワークショップは、大変効果的です。 一般的に、経営者が若手社員に求める要素としては、
① コミュニケーション能力
② 主体性
③ 課題解決力 の3つが挙げられます。
基礎理解と課題意識を持つマインドセットを醸成
BMGのメソッドとキャンバスの活用によって、ビジネスの基本 となるフレームワークを実践的に学び、ビジネスモデルを構築する 各要素の関係性や系統立てて進めるためのプロセスを理解します。 基礎を理解し体験することで、 常に課題意識を持つようなマインド セットが醸成されるように、内容を難しくするのではなく、進め方や解決能力を育成できるようなプログラム構成が求められます。 ま た、ディスカッションを通じて、参加メンバーとの共有感を味わう ことで、社内リレーションの活用や他部署との連携のきっかけ作り など、コミュニケーション能力の向上の効果も期待できます。
経営幹部の参加で得られる新たな視点
新人や若手向けのワークショップでは、業界知識やビジネス企画の経験が少ないことを想定し、競合他社のキャンバス作成や自社事 業の現状分析など構造的な可視化と分析力の強化を優先的に行うことで、より効果の高い研修を実現することができます。 また、可能であればぜひ、 経営幹部と一緒にキャンバスを作成するワークを加えてみてください。 経営層が考える自社のビジネスモデルや顧客に提供すべき価値提案について、「なかなか直接触れる ことができない考え方を目の当たりにする機会が得られた」「社長 の頭の中にしかないと思ってたビジネスの展望を可視化できた」、「部分的に携わるだけだった自分の業務が全体のビジネスモデルに どのような影響や意味を持っているのか納得した」 など、感想をたくさん頂戴し、大変好評です。
新人、若手向けワークショップの効果
このワークショップでは、以下のような効果を想定しています。
- ビジネスの基礎思考力を鍛え、業務に取り組む姿勢を見直させる
- 汎用性の高いシンプルなフレームワークを身につけることで、ビジネスの焦点をズレにくくする
- ひとりだとどうしても偏りがちな思考を取り払い、 実践的な知識 を身につけさせ、社員間のコミュニケーションも深める
- 競合他社や顧客の理解により、現場のビジネス推進に必要な視点や気づきを与える
- 様々なビジネスをビジネスモデルで分析・可視化するための手法 を習得させる
まとめ
NALは開発チームだけではなく、全体組織はアジャイル手法で展開し、毎日デーリーミーティングを行なっております。その上に、ワークショップを定期的に展開するようにしております。ビジネスモデルジェネレーションワークショップについて詳しくはNALまでお問い合わせください。